五泉市の「ハンドメイド雑貨と子ども服のお店 a söpö(アソポ)」には、やさしい色合いの雑貨や子ども服が揃っています。中にはここでしか買えない雑貨もあるんだとか。自身もハンドメイド作家として活動されている店主の上村さんに、お店を開いたきっかけや雑貨のこと、いろいろ聞いてきました。
a söpö
上村 泉美 Izumi Kamimura
1995年新潟市南区生まれ。高校で服飾を学んだ後、調理の専門学校に進学。卒業後は保育園の調理に携わりながら、保育士の資格も取得する。出産後にハンドメイドをはじめ、2023年に「雑貨と子ども服のお店 a söpö」をオープン。趣味は布収集で、お気に入りの布はハサミを入れず眺めているそう。
――今日はよろしくお願いします。とても温かみのある店内ですね。
上村さん:前はコインランドリーだったんですけど、床や壁をDIYで替えて店内をつくりました。なるべく黒を使わずに、ナチュラルでふんわりした雰囲気になるように意識したんです。
――上村さんが、このお店をはじめたきっかけはどんなものだったのでしょうか。
上村さん:結婚をしてから五泉に住んでいて、出産を機にハンドメイドをはじめたんです。作品をつくっていくなかで、「ハンドメイドの雑貨や子ども服を販売するお店ができたらいいな」と思うようになったんです。
――この場所にした理由を教えてください。
上村さん:子どもがいるので、五泉市内がいいなとずっと思っていました。このお店の隣にある「ペペローニ」さんが大好きで、よく行っていたんです。駐車スペースも広いし、せっかくなら好きなお店の隣でやりたいと思って、ここにしました。
――今はネットでもハンドメイドの作品が買える時代ですが、実店舗でお店を出したのにはどんな理由があったのでしょうか。
上村さん:画面越しではわからない、作品の細かいところも見てほしいなと思って店舗をつくりました。あと、お客さんのタイミングで来てもらえる雑貨店をつくりたかったのもあります。
――といいますと?
上村さん:ハンドメイドの作品はイベントで買われる方が多いと思うんです。そういったイベントは土日に開催されることが多くて。でも中には、土日がお休みじゃない方もいらっしゃるじゃないですか。そんな方でも曜日にとらわれず、いつでも来てもらいたいと思っていたんです。
――2023年にお店をオープンされて、1年ほど経ちましたね。
上村さん:お店をやるっていうことは、思っていた以上に大変でした。でも来てくれるお客さまから「こういうお店ができて嬉しい」っていうお声をいただくこともあって、はじめてよかったなと思っています。
――お店の名前にはどんな由来があるのでしょうか?
上村さん:フィンランド語で「かわいい」という意味の「söpö」に、英語の冠詞「a」をつけました。この場所で一点もののかわいい雑貨に出会えますように、という思いを込めてつけました。
──このお店では上村さんのセレクトした雑貨や、子ども服が販売されているんですね。
上村さん:県内外で活動されている、30名ほどの作家さんの作品を販売しています。中にはここでしか買うことのできない作家さんの作品もあるんですよ。
――作品を選ぶとき、意識していることはどんなことなのでしょうか。
上村さん:雑貨のジャンルが偏りすぎず、お店の雰囲気にあった作品を選ぶようにしています。お店に入ったときに統一感があるように、色合いがやさしい作品を選んでいます。
――まとまりはありつつも、作品ごとの個性があって、見ているだけでも楽しいですね。
上村さん:何かお目当ての作品があるお客さんでも、思わぬ出会いがあるようなラインアップになっていると思います。これも実店舗にしかない良さですね。
――どんなお客さんがこのお店にいらっしゃるのでしょうか。
上村さん:お子さま連れのママさんはもちろん、最近では、男性がおひとりでご友人の出産祝いを選びに来てくれたこともありました。あとは、五泉や村松から来てくださる方が多くて、地域の方からも必要とされていると感じられて嬉しかったですね。
――お店のこれからを教えてください。
上村さん:子育て世代に寄り添ったお店にしていきたいです。お子さまと一緒に雑貨やお洋服を選んでもらって、ママ自身も自分のためにアクセサリーをここで選んでくれたら嬉しいですね。もちろん、子育てしていない方も大歓迎ですよ。
――上村さん自身もハンドメイド作家として活動されていますね。
上村さん:スタイやアクセサリー、布小物をつくっています。もともと高校のときに服飾を学んでいたのもあって、ものづくりがとても好きだったんです。
――どんなことにこだわって作品をつくっているのでしょうか。
上村さん:ナチュラルに仕上げることはどんな作品をつくるときにもこだわっています。アクセサリーであれば、場所を問わず、自分が身につけたいデザインにしています。布小物であれば、使いやすさを重視していますね。使う人が使いやすような機能的ものをつくるようにしています。
──特にスタイには、上村さんの経験が活かされているそうですね。
上村さん:保育園で働いていたとき、首の後ろにボタンのあるスタイがとても使いづらいと感じていたんです。子どもが寝ているときのつけ外しが難しくて。その経験から首の横にボタンのあるスタイをつくるようになりました。
――これなら安全にスタイのつけ外しができますね。ハンドメイドの魅力とはどんなものでしょうか。
上村さん:既製品にはない優しさがあったり、自分の好きなデザインにできることですね。ハンドメイドの作品は同じものがひとつもないんです。同じ生地でも使う部分が違えば、柄の雰囲気も変わりますからね。
――最後に上村さんの今後の目標を教えて下さい。
上村さん:旦那さんが飲食店で働いていて、私も調理を学んでいたので、将来は五泉の中心にカフェを出したいねって話しているんです。そこに、今販売している雑貨や子ども服も販売できたらいいなって思います。
ハンドメイド雑貨と子ども服のお店 a söpö
五泉市木越1998-1