新潟市秋葉区にある「秋葉温泉 花水(かすい)」の敷地にオープンした「ANELA(アネラ)」という雑貨店を取材するため、オーナーの井上さんを訪ねました。ところがどこにお店があるのかわからず……。あわや迷子になるところでしたが、駐車場から続く階段に小さな看板を見つけ、なんとかお店にたどり着くことができました。
ANELA
井上 雅代 Masayo Inoue
1979年五泉市生まれ。専門学校でヘアメイクを学んだ後、フリーのヘアメイクアーティストを経て「秋葉温泉 花水」内リラクゼーションサロンで働く。保育園でパートをしている頃にハンドメイドのアクセサリー作家としてデビュー。2023年に雑貨店「ANELA」をオープン。食べ歩きが好きで、チェックしているお店は山ほどある。
——「ANELA」さんの建物を見つけるのに時間がかかってしまいましたけど、たどり着けてホッとしました(笑)。「秋葉温泉 花水」さんの敷地内というよりも、隣接した土地にある感じなんですね。
井上さん:そうですね。だから最近は「秋葉温泉 花水離れ」と表記するようにしているんです。ここはイタリアンレストランに使われていたこともあるんですが、お店を閉めてからはずっと空き屋になっていました。
——それで民家みたいな造りになっているんですね。それにしても、よくこの物件を見つけましたね。
井上さん:私は以前「秋葉温泉 花水」さんのなかのリラクゼーションサロンで働いていたことがあって、ハンドメイドアクセサリーを委託販売させていただいてたんです。そんなご縁もあって、この物件を紹介していただきました。
——リラクゼーションサロンでのお仕事というと……。
井上さん:もともとヘアメイクの仕事に興味があったのですが、やりたいことが他にもたくさんあったので、専門学校で勉強をしながらいろいろな資格を取りました。アートメイク、まつげパーマ、まつげエクステ、英国式リフレクソロジー、特殊メイク……。
——特殊メイクって、ホラー映画で傷を作ったり怪物に変装させたりするメイクのことですよね。
井上さん:芸能界でタレントのヘアメイクをやってみたいと思っていたので、使えそうな資格は取れるだけ取りました(笑)。専門学校を卒業してからはフリーでヘアメイクの仕事をやっていたんですけど、次第にリラクゼーションにも興味を持ちはじめたんです。いつか自分でサロンをやりたいと思って、勉強のために「秋葉温泉 花水」さんのなかのリラクゼーションサロンで働きはじめました。
——なるほど、勉強のために働かれていたんですね。
井上さん:その後は保育園で働いて、でも条例で定期的にお休みしなければならないことになっていたので、お休みしている間に趣味のアクセサリー作りをやっていました。ハンドメイド作家が出店しているイベントへも遊びに行くようになって、他の作家さんが出店しているのを見ているうちに、自分もイベントで作品を売ってみたくなったんです。
——それでイベントデビューを?
井上さん:はい、出店してみて、イベントの楽しさにハマりました(笑)。それから出店募集の情報を探しては、県内外を問わずイベント出店をしてきたんです。
——イベント出店のどんなところに魅力を感じたんでしょう?
井上さん:商品を売ることよりも、お客様や出店者との出会いが楽しかったんです。おかげでいろいろな方と知り合うことができました。
——雑貨店として「ANELA」をはじめられたのは、どうしてなんですか?
井上さん:子どもの頃から自分でお店を開くのが夢だったんです。「諦めて人生を後悔したくない」という思いが強かったので、とにかく挑戦してみようと思って物件を探して、こちらの物件と出会うことができました。
——どんなことにこだわって商品をセレクトされているんでしょう?
井上さん:私の好きなものだけをセレクトしています。アルパカのワインタンブラー、魚肉ソーセージスタンド。ミーアキャットのジョウロは可愛い上に遊び心があってお気に入りです。ミーアキャットのジョウロは仕入れてすぐに売り切れるほど人気商品なんですよ。
——見ているだけで楽しくなってきますね。
井上さん:美容や健康にも興味があるので、オーガニック食品も取り扱っています。なかでもオススメは「まつのやま茶倉」さんの「神目箒茶(かみめぼうきちゃ)」です。「ホーリーバジル」というハーブを使った、香り高いハーブティーなんですよ。
——お茶といえば、こちらではコーヒーや焼菓子も楽しめるんですよね。
井上さん:秋葉区の「BERON COFFEE ROASTER(ベロンコーヒーロースター)」さんにお願いして、オリジナルのコーヒーをブレンドしてもらっています。私が作るハンドメイドアクセサリーは「透明感」をテーマにしているので、それに合わせた爽やかでクリアな味わいのコーヒーをブレンドしてくれました。
——なるほど。イメージにぴったりのコーヒーですね。
井上さん:あと「ANELA」っていうのはハワイの言葉で「女神」という意味があって、女性の活躍が進むルワンダ産のコーヒー豆をベースにブレンドしてくれているんです。
——そこまでこだわったコーヒー豆なんですね。焼菓子は井上さんが作っているんですか?
井上さん:燕の「more cafe(モアカフェ)」さんや新潟の「KITCHEN mellow(キッチンメロウ)」さんなど、知り合いのお店に作っていただいてます。「more cafe」さんとはお店のオープンも同じ時期で、「今度オープンするカフェにアクセサリーを置かせてください」「じゃあ、私もオープンする雑貨店にお菓子を置かせてほしいです」と言い合った仲なんです(笑)
——そんなところにも、井上さんの人脈が生かされているんですね。念願だったお店をはじめてみて、いかがですか?
井上さん:何もかもひとりでやっているので、毎日テンパっていますし、商品がまだまだ足りていない焦りも感じるけど、好きなものに囲まれて自分のペースで仕事ができるので幸せを感じています。これからはバリスタを呼んだり、ワークショップを開催したりして、いろいろなことに挑戦していけたらと思っています。
ANELA
新潟市秋葉区草水町1-4-5 秋葉温泉花水離れ
11:00-17:00
火曜他不定休