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同じ趣味の仲間が集まる社交場。胎内の「バーバーショップドロップス」。

胎内市の緑豊かな自然に囲まれた場所に佇む「バーバーショップドロップス」。口コミを聞きつけて新潟市や隣県の山形からも訪れる人がいるという、知る人ぞ知る床屋さんです。店内には店主の羽部さんの趣味だというハーレーやサーフボードが。お店のことやお客さんとの関係性のことなど、お話を聞いてきました。

 

 

バーバーショップドロップス

羽部 聡 Satoshi Habe

1979年胎内市生まれ。胎内市内の理容室に8年間務め、経験を積む。15年前に独立し、実家の一角で「バーバーショップドロップス」をオープン。趣味はサーフィン、バイク、車。

 

地元胎内で独立して15年目。

――緑に囲まれたいい場所にあるお店ですね。

羽部さん:ここ、実家なんですよ。前はここでばあさんが「羽部商店」っていう、雑貨屋さんみたいな店をやっていたんです。

 

――おばあさんのお店があった場所を引き継いで、床屋さんをはじめられたわけですね。ここにお店を構えてからどれくらい経つんですか?

羽部さん: はじめたのが30歳のときだったんで、15年目ですね。

 

――そもそもどうして理容師を目指されたんですか?

羽部さん:中学校のときに髪を切ってくれていた人がかっこよかったんですよね。一度は違う仕事も経験したんですけど、サラリーマンができると思っていなかったし、胎内の床屋と美容室が一緒になっている店で8年間働きました。

 

――最初から独立するつもりで考えていたんでしょうか。

羽部さん:そうですね。履歴書とかにも「独立するつもりだから、家から近くていいと思った」みたいな。そんな生意気なことを書いて働きはじめた感じですかね。

 

 

――それからおばあさんがやっていたお店を改装して独立されたと。

羽部さん:仲間に大工とか器用なやつが多いので、いろいろやってくれて。こんな感じになりましたね。

 

――店名の「ドロップス」にはどんな意味があるんでしょうか。

羽部さん:サーフィンとかスケボーが好きなんですけど「ドロップイン」っていう言葉があるので、その「ドロップ」と、缶に入っている飴の「ドロップス」を合わせました。あんま意味はないんですけどね(笑)

 

 

――お客さんは地元の方が多いんですか?

羽部さん:そうっすね。友だちとか、近所のおじいさんおばあさんは送り迎えもします。あとは基本、紹介がほとんどです。新潟市内とか山形とか、いろんなところからわざわざ来てくれますね。

 

――訪問理容もされていると聞きました。

羽部さん:第1、第4水曜日は病院と老人介護施設に行って仕事をしているんです。夕方から対応することもありますけど、基本は店にいないですね。第5水曜日はいます。

 

その人の服装や趣味から、スタイルを考える。

――お客さんにスタイルを提案するときにこだわっていることってありますか?

羽部さん:うーん……特別技術があるわけでもないし、その人のライフスタイルというか、服装とか乗り物、仕事とかを考えてスタイルを作るのが好きなんです。だから「特別な何か」みたいなものを求められたら「それなら僕じゃなくて他で」って断ることもありますし。一緒にご飯を食べに行ったり、単車に乗ったり波乗りに行ったり。仕事が好きなので、そんな感じでお客さんとお付き合いしています。

 

 

――このお仕事をされていて面白さを感じるのは、やっぱりお客さんとのコミュニケーションですか?

羽部さん:そうですね。仲間とか小さかった子とかが、結婚して子どもを連れて来てくれたときは嬉しいです。あと、近所のおじいさんおばあさんは、だいぶ見送ったわけじゃないですけど、前は車で迎えに行く人が、何人だろうなあ……けっこういたんですよ。今はもうひとりだけになっちゃいましたね。

 

――お客さんとは長いお付き合いになることが多いんですね。

羽部さん:2ヶ月に1回しか来ない人とかだと、来たら一緒にご飯を食べに行くって決めていますし。あとは一緒に波乗りに行く人とか、髪を切らないで遊びに来る人もいっぱいいるんです(笑)。サーフィン行こうって誘いに来たり、バイクを買ったからって見せに来たり。

 

 

――床屋さんであり、羽部さんのお友達が集まる場所にもなっているんですね。

羽部さん:うん、そうですね。友達が集まって遊んだりする社交場みたいな。僕が中学校のときに行っていた床屋もタバコがあって漫画本があって、1時間でカットしてもらって、終わったら親父が迎えに来るのを1時間待って、みたいな。今は禁煙の店が多いんだろうけど、うちは今後も禁煙にするつもりはないんです。

 

――昔ながらの床屋さんみたいな居心地のよさがあるわけですね。これから先、どういうことを大切にお店を続けていきたいですか?

羽部さん:いつも通りというか。好きなこと以外はしないので、好きなこととやりたいことをやっていけたらいいなって思っています。それから最近、タコスのキッチンカーをはじめたんですよ。「羽部商店」っていう、ばあちゃんがやっていた店の名前でイベントとかに出店しています。タコスが好きなので、いろいろこだわって出せたらいいですね。

 

 

 

バーバーショップドロップス

胎内市持倉128-1

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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