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自家培養発酵種でオリジナルの味わいを目指す「みなと街ベーカリー」。

味わい深いパンを目指したこだわりを聞いて来た。

新潟市歴史博物館の近くの住宅街に、自店で培養した自家培養発酵種を使った美味しいパンを提供しているベーカリーがあります。お店の名前は「みなと街ベーカリー」。今回は店主の高井さんに、ちょっと聞き馴染みのない「自家培養発酵種」へのこだわりを聞いて来ました。

 

みなと街ベーカリー

高井 淳志 Junji Takai

1979年新潟市生まれ。新潟工業高校を卒業後、新潟市内のベーカリーで約14年勤務。2016年「みなと街ベーカリー」を夫婦でオープン。好きなパンは、食パンとコッペパン。

 

小窓から覗く楽しそうな雰囲気に誘われて。

――今日はよろしくお願いします。まずはパン職人になろうと思ったキッカケから教えてもらえますか?

高井さん:高校を卒業してから、橋を建設する会社に就職しました。その会社の3軒隣りにパン屋さんがあって、たまにお昼を買いに行っていたんです。外の小窓からはパン職人さんたちが楽しそうに仕事をしている様子が見えて、正直、建設会社の仕事が辛かったから羨ましく思っていたんです。

 

――じゃあ、はじめはパン職人を目指していなかったんですね。

高井さん:そうなんです。でもあるとき、会社が傾いて社員が一斉に解雇されてしまって…。これからどうしようかと途方に暮れていたときに、たまたま目にしたのがそのパン屋さんの求人でした。それで受けてみたら合格。建設会社の社員からパン職人の道へ進むことになりました。

 

7年働いて、もう7年。パンの星の下に生まれて。

――パン作りは未経験ですよね。はじめはどんなことを?

高井さん:まずはパンを焼くオーブンを担当しました。しばらくは生地を触らせてもらえなくて、1年ぐらいパンを焼き続けていましたね。それから徐々に生地を丸めたり、切り分けたり、仕込みもさせてもらえるようにもなっていきました。

 

――まずはパンを焼くところからスタートなんですね。そのパン屋さんではどのくらい働いていましたか?

高井さん:そこでは食パンやコッペパン、クリームパンなどのソフト系を学んで、7年くらいお世話になりました。結婚のタイミングで退職して、結婚するなら土日が休みで安定した職に就こうと思って、厨房機器の設計会社へ転職しました。

 

 

――え? パン屋さんを辞めちゃったんですか?

高井さん:でもリーマンショックが起きて内定が取り消しになったんです。ショックでしたね。どうしようかと悩んで…直ぐにハローワークへ相談に行きました。すると相談員の方が経歴を見て「カーブドッチのベーカリー部門はどうですか?」って。安定を求めて転職したけど、結局パン屋さんに舞い戻りました(笑)

 

――パンの星の下に生まれたんですね(笑)。「カーブドッチ」といえば、前のパン屋さんと違ってハード系がメインですよね?

高井さん:はい。国産小麦にこだわっていたり、自家培養発酵種を使っていたり、たくさんの学びと魅力がありました。ここも7年ぐらい働かせてもらって、その間に自分でお店をやりたいなって目論みはじめたんです。

 

「みなと街ベーカリー」オープンのキッカケは妻の一言。

――どんなキッカケで「みなと街ベーカリー」をはじめたんですか?

高井さん:お店をやりたい意志を妻にちょこちょこ話していましたが、なかなかいい返事をもらえませんでした。すると「みなと街ベーカリー」をオープンする1年くらい前に「自分のお店、やってもいいよ」と急に言われたんです。その一言がキッカケとなって、お店をはじめることになりました。

 

――ソフト系やハード系。それぞれ得意なお店で働いてきましたが、コンセプトは決まっていましたか?

高井さん:今まで経験したソフト系も、ハード系も、それぞれ自家培養発酵種を使ってチャレンジしようと決めていました。

 

――さっきも出てきましたけど「自家培養発酵種」って何ですか?

高井さん:簡単に説明すると、パンを膨らませてくれる種です。パンは小麦と水、塩…そして酵母があると完成します。果物やヨーグルトと水、砂糖を合わせて発酵させて培養した酵母が「自家培養発酵種」。巨峰やイチゴ、レーズンとか何からでも作れるんですよ。

 

 

――発酵種の種類によって、パンの味わいは変わるんですか? 例えばレーズンの味になるとか?

高井さん:果物自体の味はしないけど、パンの甘みや香りに奥深さが感じられます。でも発酵の力を最大限に生かすためには、時間をかけてパン生地を寝かさなければなりません。パン生地によっては20時間以上も。単純に5倍は大変だけど、美味しく仕上がるのが励みですね。

 

――パンの世界って奥が深いですね。発酵種はパンの種類によって変えているんですか?

高井さん:例えばスッキリ仕上げたいときはレーズン種、コクや深みが欲しい時はヨーグルト種。このように特性を考えて、どのパン生地にも2~4種類の発酵種をブレンドしています。そうすることでシンプルなパンにも複雑な味わいが生まれるんです。

 

――ちなみに珍しい発酵種はありますか?

高井さん:最近、自分の中でヒットしているのは柏崎市にある「石塚酒造」から分けてもらった酒粕で作る発酵種です。この酒粕にはもち米が含まれていて、パン生地が驚くほどにプルプルに仕上がります。他の発酵種に比べて焼き上がりのふわっと感も増すし。とにかく美味しいパンになるんです。

 

――それでは最後に、オススメのパンを教えてください。

高井さん:わかりました。「みなと街ベーカリー」に来たら食べてもらいたいパンはこちらです。

 

はるゆたかの角食パン 450円

 

バタークリームコッペ 210円

 

チョリソーと熟成チーズ 250円

 

 

みなと街ベーカリー

新潟県新潟市中央区赤坂町2-3188-12

025-378-3643

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