不要になったものを次につなぐ。
燕の「TOO GOOD TO WASTE」

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2026.07.01

text by Ayaka Honma

今年の4月、燕市に新しい古道具屋さんがオープンしました。名前は「TOO GOOD TO WASTE」。こちらのお店をはじめた岸川さんは、3月まで燕市の地域おこし協力隊として、空き家問題にまつわる活動をしてきたんだそうです。お店をオープンした経緯や古道具のことなど、いろいろとお話を聞いてきました。

Interview

岸川 悠二

Yuji Kishikawa(TOO GOOD TO WASTE)

1983年東京都出身。3年前に燕市に移住。地域おこし協力隊として空き家バンクの運営をメインに行い、活動の中で空き家の不用品回収、イベントなどでの販売をはじめる。その後「TOO GOOD TO WASTE」の仮店舗をオープン。最近は、W杯の試合観戦に熱中している。

東京から、燕市へ。
協力隊として活動した3年間。

――岸川さんは、今年の3月末まで三条市の地域おこし協力隊として活動されていました。

岸川さん:東京で生まれてずっと暮らしてきたので、地方に移住してみたいな、という思いがあったんです。地方が今盛り上がっているなって感じていましたし、面白いことができそうだなと思って。どのエリアに移住しようか考えていたときに燕市を見つけました。新潟は何度か行ったことがあったし、燕市の地域おこし協力隊の仕事もいいなと思っていたので、移住することにしたんです。

 

――地域おこし協力隊では、どんなお仕事を?

岸川さん:燕市の空き家の情報を紹介する「空き家バンク」というサイトの管理をメインに行なっていました。その傍らで、空き家の不用品の回収もしていたんです。空き家を所有する多くの方のお悩みが、空き家に残ったままのものをどう処分するか、というもので。僕が空き家にお邪魔して、ひとつずつ持ち主の方と一緒に整理しながら、まだ使えるものは回収していました。

 

――回収した古道具は、イベントなどで販売もしていたそうですね。

岸川さん:引き取った不用品をきれいにしたり、修理したりして販売して、その売上は持ち主の方に還元していました。この活動の反応が結構よくて、協力隊としてではなく、個人的にも空き家の不用品を回収しはじめたんです。そしたらかなりの量が集まっちゃって(笑)。イベントで手応えは感じていたので、協力隊の活動を終えた後、お店を出すことにしました。

 

――そもそも、岸川さんが古いものを好きになったきっかけは?

岸川さん:最初は新品のものを買うことが多かったんですけど、年を重ねるごとに、「古いものを使っている人ってかっこいいな」って思うようになったんです。古いものを生活の中に取り入れている人にすごく憧れていたのを覚えています。

 

――今回、燕市でお店を持つことになった経緯は?

岸川さん:東京にいたときから「自分のお店を持ちたい」となんとなく思っていました。でも実際はきっと大変なんだろうと思って、行動に移すことはなかったんです。でも、燕に移住して「Toko Toko」さんをはじめ、周辺の方のお声がけもあって、「今起業しないと、もうチャンスは来ないかもしれない」と思い、お店をはじめることにしました。

 

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捨ててしまうのは、もったいない!
直して、次の世代につなげたい。

――お店の名前は「TOO GOOD TO WASTE」。日本語では「もったいない」という意味の言葉です。

岸川さん:古い道具を使うことは、次の世代につないでいくことだなと思いますし、実際に空き家の不用品を回収してきて、まだまだ使えるものがあるってすごく感じたんです。やり方によってはまだ流通できる、みたいな挑戦の意味も込めて、この言葉をお店の名前にしました。

 

――古道具の中には、「これはどう使うんだろう」と悩んでしまう道具もたくさんあるな、と感じます。岸川さんなら、こんなお悩みにどうアプローチするのでしょう。

岸川さん:不用品を回収するとき、「これはこう使える」っていうイメージはある程度するんですけど、古道具の幅を広げるために、あえて使い方が想像できない古道具も引き取ったりしています。そういうものは、「こうしたら使えるんじゃないか」っていう使い方を僕なりに提案するんです。例えば大きい木の箱がありますよね、この中に本や植木鉢を入れてお店に出しています。そうすれば、少しでも使い方が想像できるかなって。

 

――だから店内の古道具たちはいろいろ組み合わせて配置されてるんですね。

岸川さん:これも提案のひとつですね。お店に来た方が「こうやって使ったらいいんだ」「これなら何かに使えそう」みたいなヒントが見つかればいいなと思います。でも、逆に僕がお客さんから古道具の使い方を教えてもらうこともあるんですよ。それも参考にしながら、提案の引き出しを増やしています。

 

――岸川さんは、回収した不用品の修理もしていると聞きました。

岸川さん:実は、地域おこし協力隊として活動する前は、海外の古い家具を直して販売する仕事をしていて、そのときの経験も活かしながら修理しています。「これはもう、きれいにはならないかな」っていうものでも、頑張って手をかけてあげると、また使えるようになるんです。きれいにして使えるようにするのは、やりがいも感じますし、どんなふうに仕上がるかワクワクしながら修理しています。

 

――そんな修理の様子は、お客さんも見ることができるんですよね。

岸川さん:そうなんです。修理の過程を実際に見て説明すれば、古い家具や道具を持っている方が「自分でもやってみよう」と思ってもらえるんじゃないかなって。使われなくなった古いものを自分で直せば、お財布にも優しいと思うんです。「自分で直す」っていう選択肢も、ワークショップなんかを開いて提案していきたいなと思っています。

 

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これから燕が、面白くなる。
街のこと、お店のことを聞きました。

――実はこのお店は、まだ仮の店舗なんだそうですね。

岸川さん:そうなんです。近くの旧診療所をリノベーションして、今年の秋ごろに店舗を移転する予定です。仮店舗のあるこのエリアもどんどん盛り上がっていって、来年の春ごろには、商店街の中にお店が5店舗くらいできるみたいなんです。僕がこれから移る診療所の隣には、ゲストハウスもできるので、これからもっと面白くなるんじゃないかなって思っています。

 

――この街がどんどん変わっていくんですね。とても楽しみです。

岸川さん:不安もありますが、とても楽しみですね。これをきっかけにいろんな人がここをめがけて来てくれるようになったら嬉しいですね。このエリアにできるお店を回って、一日中楽しんでもらえるような場所になったらいいなと思っています。

 

――岸川さん自身、東京から燕市に移住してみて、いかがですか?

岸川さん:人とのつながりがすごく強くて、人の温かみが感じられる場所だなって思っています。ここでお店を出すと決めていなかったら、「他の地域もみてみようかな」とも考えたんですけど、今は何もない限りはずっと燕市に住み続けようって思っています。

 

――最後に、岸川さんの目標を教えてください。

岸川さん:燕市に移住してずっと空き家に関わっていたので、これからは不用品回収だけじゃなくて、空き家問題に対して、もう一歩踏み込んだ課題解決ができたらいいなと思っています。空き家問題はすごく複雑な問題ですが、まずは解決に向けて少しでも動き出せるようなお手伝いもしていきたいです。ちょっとしたご相談も聞きますので、気軽にお店に来てもらえたら嬉しいです。

 

お店には、古道具だけではなくレコードもあります。

TOO GOOD TO WASTE

燕市吉田旭町1丁目8-13

※今年の秋頃、燕市吉田旭町1-8-31に移転予定。詳しくはInstagramをご確認ください。

11:00-16:30

不定休

※最新の情報や正確な位置情報等は公式のHPやSNS等からご確認ください。なお掲載から期間が空いた店舗等は移転・閉店の場合があります。また記事は諸事情により予告なく掲載を終了する場合もございます。予めご了承ください。

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