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家具職人がデザイナーの妹と立ち上げたプロダクツブランド「twig」。

きつい香りは苦手だけど、暮らしのなかにさりげなく香りを取り入れたい。そんなふうに考えている方にお勧めしたいのが、今年の8月に新潟市東区でショールームをオープンした「twig(トゥイッグ)」。家具職人の畑山さんがプロダクトデザイナーの妹と共に立ち上げた、アロマグッズをメインにしたブランドです。新しいショールームにお邪魔して、畑山さんから製品のこだわりを聞いてきました。

 

 

twig

畑山 駿 Suguru Hatayama

1990年新潟市東区生まれ。新潟市の工業高校卒業後、飛騨高山で家具職人として修業を積み、2017年に新潟に戻って実家の建築会社でオーダー家具の製造をはじめる。2019年に妹とプロダクツブランド「twig」を立ち上げ、2024年にショールーム兼工房をオープン。最近は温泉と一緒にサウナを楽しんでいる。愛車はホンダ・ダックス。

 

家具職人が、どうしてアロマに興味を持ったのか。

——まさか、こんな場所にあるとは思いませんでした(笑)。こちらはどういったスペースなんでしょうか?

畑山さん:「twig」の事務所や工房、ショールームをまとめたスペースとなっています。「twig」というのは家具職人の僕とデザイナーの妹ではじめた、アロマ雑貨をはじめとしたプロダクツブランドなんです。

 

——畑山さんは家具職人さんなんですね。

畑山さん:実家が東区で建築会社をやっているので、僕も建築の仕事をやるつもりで工業高校に通っていたんです。ところが勉強していくうちに、自分のやりたいこととのズレを感じるようになって……。

 

——どんなところにズレを感じたんでしょう?

畑山さん:建築の仕事って色々な職人が関わる分業制なので、すべてを自分の思い通りに作ることは難しいんですよ。でも家具だったらすべてを自分の考えたように作ることができると思ったんです。

 

——それで家具職人の道を選んだんですね。

畑山さん:はい、岐阜の飛騨高山で家具職人の修業をはじめました。

 

 

——修業地に飛騨高山を選んだのはどうしてなんですか?

畑山さん:「日本の三大家具産地」といわれるのが北海道旭川、福岡大川、岐阜飛騨高山なんですけど、そのなかでも飛騨高山は椅子づくりが有名だったんです。僕も椅子を作りたいと思っていたので、飛騨高山で修業をすることにしました。

 

——飛騨高山では、具体的にはどんな修業を?

畑山さん:最初の2年間はメーカーが運営している塾で家具づくりの勉強をしました。給料はいただけないんですが、勉強のために作る製品が授業料代わりになるんです。朝から晩まで製品を作って、夜は座学を受けました。普段関わる機会のないような幅広い世代の人たちが勉強に来ていたので、いろいろと刺激を受けましたね。

 

——2年間勉強した後は、その家具メーカーに就職できるんですよね。

畑山さん:いろんな選択肢がありますけど、僕はそのまま就職しました。そこでアロマと出会ったんです。

 

——家具メーカーとアロマって、ちょっと結びつかないですけど……。

畑山さん:そのメーカーでは家具を作る際に使えない枝を利用して、アロマの製造をしていたんです。ルームシェアをしていた同僚がその仕事に関わっていて、アロマオイルを抽出する際に分離したフローラルウォーターを持って帰っては、お風呂に入れて楽しんでいたんですよ。

 

——その影響を受けたんですね。

畑山さん:それまで「アロマ」と聞いても「甘ったるい香りがする何か」というイメージしかなかったんですけど、ガラッと印象が変わってハマってしまいました(笑)

 

暮らしのなかにアロマのある生活を提案するブランド。

——「twig」を立ち上げたいきさつを教えてください。

畑山さん:新潟に帰ってからは家業の建築会社のなかに家具部門を作って、オーダー家具の製造をしてきました。その一方で、暮らしのなかに香りを取り入れることができる、使いやすいアロマグッズがあったらいいなと思い続けていたんです。

 

——「使いやすい」というと?

畑山さん:水や電気を使うディフューザーは何かと手間がかかるので、インテリアとしても馴染みやすく、もっと気軽に使えるアロマグッズを作りたいと思っていました。そこでプロダクトデザイナーをやっていた妹と組んで「twig」を立ち上げたんです。ディフューザーを作るためにもアロマの知識が必要だと思ったので、新潟のアロマスクールで勉強して資格を取りました。

 

——なるほど。「twig」では、どんなアロマグッズを作っているんでしょうか?

畑山さん:瓶を傾けるだけでウッドキャップにアロマが沁みて手軽に香りが楽しめる「アロマウッドキャップ」や、スティックがアロマを吸い上げて香りが広がる「アクリルスティックディフューザー」があります。

 

 

——材料に使われている木の香りと相まって、自然を感じられる香りになっていますね。

畑山さん:植物から抽出した天然成分のみを使っているので、優しくて後残りしない香りになっていて木の香りともよく馴染みます。僕が使いたいと思える香りにしたかったので、男性にも使いやすいさっぱりした香りになっているんです。

 

——デザインもシンプルで使いやすそうですね。

畑山さん:男女を問わずどなたにでも使っていただけるよう、ニュートラルなプロダクトデザインを心掛けています。ウッドキャップも妹のこだわりで、それぞれのデザインに合わせたサイズになっているんですよ。せめて高さを合わせてもらえると、製造する側としては有り難いんですけどね(笑)

 

——細かいこだわりがあるんですね。他にもこだわっていることってあるんですか?

畑山さん:使い捨てにならないよう、中身のアロマを詰め替えれば使い続けることができるようになっています。アロマのレシピも同封していますので、好きな香りを作ってお楽しみいただくこともできます。

 

——エコですねぇ。

畑山さん:あとはギフトとして贈ることができるアイテムを意識しています。パッケージも妹がデザインしているんです。木製のギフトボックスがそのままティッシュボックスとして使えるのも妹のアイデアで、製造は僕が担当しています。

 

新潟の人たちにも、どんどん製品をアピールしていきたい。

——こちらのショールーム兼工房を作るにあたって、こだわったところはあるんでしょうか?

畑山さん:できるところは自分たちで作りました。いちばんのこだわりはペレットストーブですね。木を加工する際に出る大量の木屑を有効活用したかったんです。包装する際の緩衝材にも木屑を使っているんですよ(笑)

 

——とことんエコですね(笑)。ショールームができたことで、製品を見てもらえる機会も増えるんじゃないでしょうか。

畑山さん:今まで新潟の人たちに製品を見ていただける機会が少なかったので、これからはいろいろな人たちに見ていただきたいですね。

 

 

——そういった機会は今までなかったんでしょうか?

畑山さん:東京の展示会には出展していました。そこでお声掛けいただいたショップに製品を卸してきたので、新潟よりもむしろ県外で販売されているんです(笑)

 

——じゃあ、これからは県内の人たちに向けてアピールしていきたいですね。

畑山さん:ショールームに足を運んでいただくためにも、ワークショップやイベントを展開していきたいです。アクリル染色やアロマスプレーづくりのワークショップを考えています。11月に開催される、新潟市東区のオープンファクトリーにも参加予定なんです。

 

——楽しみですね。ところで「twig」というのはどういう意味なんでしょう?

畑山さん:「小枝」という意味です。木の幹は変わらないまま、どんどんと枝葉を広げていって、いろんなものづくりをしていきたいという思いで名付けました。

 

 

 

twig

新潟市東区船江町1-50-10

025-250-0712

不定休

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