スタイリストがはじめた、こだわりのキムチ専門店「根幹」。
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2025.10.26
鳥屋野潟のほとりに「根幹(こんかん)」という名の、スタイリッシュな雰囲気のキムチ専門店がオープンしました。スタイリッシュなのも当然で、こちらのオーナーはスタイリストとして幅広く活躍している山田志麻さんなんです。エスニックな家具や骨董品、観葉植物に囲まれた店内で、山田さんからいろいろなお話を聞いてきました。


Stem
山田 志麻 Shima Yamada
1972年新潟市中央区生まれ。専門学校中退後、東京や新潟で服飾やスタイリストの仕事に携わる。2001年にスタイリストとして独立して「Stem」を立ち上げ、2025年にはキムチ専門店「根幹」をオープンする。趣味は置物や鉢などの骨董品を集めること。
潜水士を諦め、スタイリストとして独立するまで。
——山田さんはスタイリストとしても活躍されているんですよね。スタイリストになったきっかけは何だったんですか?
山田さん:高校時代からスタイリストやカメラマンのお手伝いをしていたんです。金属製品や家具の撮影に携わることが多かったですね。
——その流れでお仕事が決まった、と。
山田さん:でも、そのときは潜水士になりたいという夢があったので専門学校に入学しました。そこで資格を取得したんですが、やっぱり自分には向いていないとわかって、あきらめました。そこでスタイリストを目指すことにしたんですけど、新潟には仕事がないと思ったので上京することにしたんですよ。
——東京ではどんなお仕事を?
山田さん:飲食店でアルバイトをしながら、服飾やスタイリストの仕事に携わりました。私は普通の服よりも、民族衣装や舞台衣装に興味があったんです。特に60年〜70年代に流行したジェンダー映画の世界観に憧れていて、新宿二丁目で働くお姉さん方のドレスをつくりたいとずっと思っていました。

——わかるような、わからないような……(笑)。でも、新潟に戻ってきたのはどうしてなんですか?
山田さん:23歳のときに、家庭の事情で呼び戻されることになったんです。仕事終わりに遊んでからアパートへ帰ってみると、すでにアパートは解約されて荷物がトラックに積み込まれていました(笑)。仕事が軌道に乗りはじめて、これからという時期だったので大変ショックでしたね。
——ちょっと信じられない話ですね(笑)
山田さん:落ち着いたらすぐにでも東京へ戻るつもりだったんですけど、なかなか機会がないまま時間が過ぎていきました。そんなときに知人から紹介されて、新潟でスタイリストをやっている方のお手伝いをはじめたんです。そのうちに新潟でスタイリストを続けていこうと覚悟を決めて、自分にできる仕事は何でもやってきて、29歳でフリーのスタイリストとして独立しました。

——スタイリストとしては、どんなお仕事をされてきたんでしょう?
山田さん:テレビCMの衣装をつくったり、企業広告のスタイリングをしたり、ディスプレイの仕事もやりましたね。私はデザインや表現の提案をすることができるので、仕事の幅もどんどん広がっていったんです。自分のイメージを大切にしたいので、人に任せず自分ですべてをこなすようになっていきました。
——何もかもひとりでやるのって、大変じゃないですか?
山田さん:ひとりですべてをまかなうのは大変ですけど、自分が思い描くイメージ通りの仕事ができるんです。仕事をする上でいろいろな人とぶつかることも多かったけど、そのおかげでいい仕事ができたんじゃないかな。たくさんの方々と知り合うこともできたし。
——そんななかで、印象に残っている仕事があったら教えてください。
山田さん:「Noism」の舞台衣装を担当してきたことです。私自身も以前バレエをやっていましたし、舞台衣装に憧れもあったので、とてもやりがいを感じながら臨みました。

どうしてキムチの専門店をオープンしたのか?
——そんなスタイリストの山田さんが、今回、キムチ屋さんをオープンしたのはどうしてなんですか?
山田さん:もともと家庭で当たり前にキムチを漬けていたんです。数年前に知人の農家さんから白菜をたくさんいただいたんだけど、食べきれないからキムチにして知り合いに配ったら、それを食べた方のなかに商品化を勧めてくれる方がいたんですよ。それで、ちょっと調子に乗っちゃってキムチの販売をしてみようかなと思ったんです(笑)
——わりと軽い気持ちではじめたんですね。
山田さん:でもオープンにこぎつけるまでは大変でした(笑)。この物件もやっと見つけて、すべて骨組みだけにしてから改装したんです。

——キムチの販売店にしては、広々したスペースですよね。
山田さん:将来的に飲食メニューをはじめたり、友人とコラボしたイベントを開催したりしてみたいと思っているので、広めにスペースを確保しました。インテリアのタンスや置物、植物はすべて私の好きなものなんです(笑)。若い頃にバックパッカーとしてアジアの国々をめぐって、買い集めた骨董品もたくさんあります。
——確かに店内を見ていると、山田さんの好みがわかるような気がします(笑)。ちなみに、どんなキムチをつくっているんですか?
山田さん:日本の白菜って水分が多いので、漬けると水分がたくさん出て味が薄くなっちゃうんです。だから干して水分を抜いてから漬けるようにしています。あと添加物はもちろん魚醤や砂糖も使わずに、フルーツを信じられないほどたくさん使って味付けをしているんです。そのおかげで爽やかな味わいのキムチになっています。

——マイルドなキムチなんですね。
山田さん:そうですね。ニンニクも麹に漬けてから使っているので、エグみが抜けてマイルドになっていると思います。手間はかかりますけど、甘みのなかに辛さが残るようなキムチになっていますね。
——お話を聞いていると、とても食べやすそうなキムチですね。
山田さん:ただ、今まで家庭でつくってきたキムチとは違って、商品としてお客様に販売するキムチですので、毎回緊張しながらつくっているんですよ(笑)。「今回はしょっぺかったな。てへぺろ」じゃ済みませんからね。頻繁に味見をして確かめながらつくっています。
——確かに「てへぺろ」では済まないですね(笑)。他にもご苦労はありますか?
山田さん:スタイリストとしての仕事とスケジュールを調整しながら店を開けているんですが、なかなかリズムをつかむことができませんね。お客様にはご迷惑をおかけしていますが、営業情報はインスタグラムからご確認いただけると助かります。

——インスタグラムの情報をチェックしているお客さんも多いんでしょうね。
山田さん:そうですね。インスタグラムでトマトのキムチを販売する告知をしたら、予想以上にお客様が詰めかけて朝イチで売り切れちゃったんです。そのあと買いに来たお客様に怒られちゃったので、あわててトマトを探しにいったことがありました。
——トマトのキムチって、なかなか食べる機会がないですもんね。他に今後つくってみたい商品ってあるんですか?
山田さん:自家製麺を使った冷麺をやってみたいですね。「冷麺」といったら、半透明のゴムっぽい麺を想像する人が多いかもしれませんが、私がやりたいのは蕎麦粉を使った細麺の「平壌(ピョンヤン)冷麺」なんです。あと素麺と豆乳スープでつくる冷麺や、エゴマを使ったまぜそばもやってみたいですね。

根幹
新潟市中央区桜木町6-11
12:00-18:00
不定期営業
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