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海を眺めながら身体にやさしいメニューを楽しめる「umicafeDONA」。

柏崎市の海沿いに「umicafeDONA(ウミカフェドナ)」という名のカフェが、日本海を見下ろすように建っています。店内は居心地のよさそうな空間が広がっていて、どの席からも目の前の海を望むことができるんです。このカフェをはじめることになった理由について、身体にやさしいメニューについて、オーナーの柘植さんにお話を聞いてきました。

 

 

umicafeDONA

柘植 香織 Kaori Tsuge

1973年柏崎市生まれ。新潟県内の大学を卒業。銀行で人事の仕事を経験した後、東京で開業したベンチャー企業の立ち上げから参加し、総務の仕事を任される。子どもが生まれたのをきっかけに柏崎に戻り、2012年「umicafeDONA」をオープンする。キラキラしたものが大好きで、 冬季の休業中はハンドメイドに勤しんでいる。

 

事務職から一転してカフェ経営を目指す。

——海の上に建っていて、眺めの素敵な場所ですね。「umicafeDONA」はいつオープンしたんですか?

柘植さん2012年です。ずっと海沿いの物件を探していたんですけど、なかなか見つからなかったんです。ようやくこの物件に出会って、ここから見える風景が私の理想にぴったりだったので、ここでカフェをやろうと決めました。ただ、壁を塗ったり床を張り替えたり、店舗改修のほとんどを私と主人でやったので、オープンするまでにそれから2年半かかってしまいましたね。

 

——柘植さんはどうしてカフェをやろうと思ったんですか?

柘植さん:私は東京のベンチャー企業で経理や総務の仕事をしていたんです。とにかく仕事が忙しくて、毎日終電で家に帰るハードな生活を送っていました。そんな生活の中で、心のバランスを取るために自分の好きな料理に没頭したくて、フードコーディネーターの専門学校に通いはじめたんです。そこには飲食店を経営している人や、いずれ自分のお店を持ちたいと思っている人がたくさん通っていました。その方々と話して刺激を受けたんです。

 

 

——それで「自分でもカフェをやりたい」と思うようになったんですね。

柘植さん:はい。「自分が本当にやりたいことはなんだろう」って考えていたら、「いずれ自分のお店を持ちたい」と思うようになったんです。結婚を機に会社を退職して、都内の飲食店でアルバイトしながら経験を積みました。たまたまお茶を飲みに入ったお店のアイスコーヒーがとっても美味しくて感激したので、店を出てからすぐに電話をしてスタッフ募集はしていないか問い合わせたんです。そしたら、ちょうど経理のできる人間を探しているということだったので、そのお店で働かせてもらうことになりました。アルバイトしたお店はコーヒー豆を自家焙煎しているお店だったので、うちの店で使っているコーヒー豆はそのお店で焙煎している豆です。

 

——そこから新潟に戻ってきたのは?

柘植さん:子どもが生まれたときに、どこで子育てするかを主人と話し合ったんです。それで私の実家のある柏崎に戻ってくることになりました。ふたりめの子どもが幼稚園に上がるタイミングで、本格的にカフェをはじめることを考えましたね。

 

メニュー、インテリア、景色……好きなものを集めたカフェ。

——「umicafeDONA」って、どんなカフェなんですか?

柘植さん:とにかく私の好きなものを集めたお店ですね。インテリアも古い年代物なんかのヴィンテージ家具でまとめていて、メニューも自分の身体が欲しているものをお出ししています(笑)。身体が喜ぶ食材を、身体にやさしい調理法で作っているんです。

 

 

——それって、たとえばどんなメニューですか?

柘植さん:野菜だけじゃなくて、肉や魚などもバランスよく使うようにしていますね。あと、できるだけ化学調味料を使わずに、手づくりしたものを提供しています。そのなかでも「玄米プレート」はうちの看板メニューです。そのときどきの旬の食材を使って、二十四節気ごとに内容を変えているので、新しい内容を楽しみにしてくださるお客様も多いんです。玄米には白米をブレンドして誰にでも食べやすいようにしています。いくら身体にいいからといっても、美味しく食べられなければ意味がないですからね。

 

 

——なるほど。お店の中ではハンドメイド作品の販売もしているんですね。

柘植さん:近隣の作家さんの作品や、私の作品を店頭やインターネットの通販サイトで販売しています。1月〜2月はカフェが冬季休業に入るので、その間はこつこつ作品づくりに勤しんでいるんです(笑)。ハンドメイド作品の材料にはビーチグラスも使っているので、最近は「ビーチマネー」の取り組みにも参加しているんですよ。

 

——「ビーチマネー」って何ですか?

柘植さん:海の環境美化を目的に湘南ではじまった取り組みで、ビーチに落ちているビーチグラスを拾って持ってくると、「ビーチマネー」参加店で様々なサービスが受けられるんです。ただ、対象になるビーチグラスには「角がしっかり取れていて丸っこいもの」「直径が3cm以上あるもの」といった条件があります。

 

 

——へ〜、はじめて知りました。海の環境保全にもつながる素敵な取り組みですね。10年近く海辺でカフェをやってきていかがですか?

柘植さん:大変なのは海風ですね。台風や冬の強風の後は、屋根が吹き飛んでいたり、アンテナが折れていたり、入口の照明が割れていたり、必ず何かが壊れています。いつもドキドキしながらお店を見に来るんです(笑)。潮風のせいでエアコンも毎年何台かは壊れますね。でもそんな苦労も忘れさせてくれるほど、ここからの眺めは素晴らしいです。

 

——素晴らしい海の眺めが楽しめる、特におすすめのシーズンや時間帯ってあるんでしょうか?

柘植さん:シーズン問わず日没から夕焼けの時間帯はおすすめですね。土曜と祝日はサンセットタイムまで営業しているんですけど、その時間帯になると店内が静まり返るんです(笑)。皆さん食べるのも忘れて海を眺めています。私は個人的に冬の荒々しい日本海の眺めもワイルドで好きですね。

 

好きなことをやっているから、トラブルすら楽しい。

——事務職から思い切って転身して、カフェをやってきてよかったと思っていますか?

柘植さん:いろんなトラブルもありますけど、それすら楽しく感じますね。自分が好きでやっていることのトラブルって、まったく苦にならないんです。悩むことといえば前向きな悩みばかり。「次のメニューはどうしよう」とか(笑)。なにより、カフェをやっていなければ出会えなかった方々に、たくさん出会うことができたのが私の人生の財産になっていますね。

 

 

取材に伺ったとき、まだ何組かのお客さんが残っていて、皆さんゆったりと景色を眺めながら食事やお茶を楽しんでいました。どのお客さんも時間を忘れるほど居心地がよさそうでした。当日はあいにくの曇り空だったので、今度は気持ちよく晴れた日のサンセットタイムにお邪魔したいと思います。

 

 

umicafeDONA

柏崎市宮川2359

0257-35-2573

11:00-15:00(土曜祝日は日没まで営業)

日月曜休(1、2月は冬季休業)

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