川魚や山菜が味わえて
自然を楽しめる「裏五頭山荘」
食べる
2026.07.13
今年もあと少しで学校の夏休みがはじまります。遊びの予定を立てているご家族もあることでしょう。阿賀町の中ノ沢にある「裏五頭山荘(うらごずさんそう)」も、そんな家族連れに人気のスポットです。宿泊はもちろん食事だけでも気軽に利用可能で、自然のなかで川魚や山菜を楽しむことができます。そんな「裏五頭山荘」にお邪魔して、野鳥のさえずりや川のせせらぎを耳に、主人の阿部さんから自然の厳しさや楽しさについてお話を聞いてきました。
阿部 康
Yasushi Abe(裏五頭山荘)
1973年阿賀町(旧三川村)生まれ。幼少期は埼玉県で暮らし、小学3年生のときに阿賀町(旧三川村)へ移り住む。高校卒業後は東京や埼玉で飲食業を経験し、25歳で阿賀町へ戻って家業の「裏五頭山荘」を手伝いはじめる。
埼玉から生まれ故郷にUターンして、
「裏五頭山荘」をはじめる。
――阿部さんは阿賀町のお生まれなんですね。
阿部さん:そうなんですけど、昔の阿賀町の記憶は全然ないんです。すぐに親の仕事の都合で埼玉に移り住んで、小学3年生のときにまた家族で阿賀町へ戻ってきました。
――どうして阿賀町へ戻ってくることになったんですか?
阿部さん:両親は「裏五頭山荘」をはじめるつもりで、故郷の阿賀町へUターンしてきたんだと思います。開業した昭和56年っていうのは、レジャーブームでペンションやドライブインがたくさんできた頃なんですよ。最初は食堂だけの営業でしたが、3年目に増築をして宿泊施設もはじめました。
――阿部さんも手伝ったりしていたんでしょうか?
阿部さん:まぁ、小学生にできることなんて知れていますけど、店を手伝ってはいましたね。将来は家業を継ぐものだとぼんやり考えていました。でも高校卒業後は都会暮らしに憧れて、東京や埼玉の飲食店で働きながら暮らしていました。
――若い頃は都会に憧れますよね。
阿部さん:「裏五頭山荘」の営業が軌道に乗って忙しくなってきたようだったので、25歳の頃に阿賀町へ戻って家業の手伝いをはじめたんです。
――阿部さんが戻られてから、新しくはじめたことってあるんでしょうか?
阿部さん:知り合いの職人さんから造ってもらったレンガ窯を使って、窯焼きピザの提供をはじめました。本格的なピザづくりはしたことがなかったので、何度も失敗を重ねて試行錯誤しながらつくり上げたんです。

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夏の害虫や冬の雪、そして大雨。
自然のなかで営業している苦労。
――山のなかだと不便なことも多いんじゃないですか?
阿部さん:自然の厳しさを感じることは多いですね。夏は害虫、冬は雪に悩まされます。冬期はお客様の安全を考えて休業させていただいているんですけど、屋根が潰れるのを防ぐために、除雪だけは欠かせないんです。
――夏の害虫というのは、どのような?
阿部さん:アブが多いですね。このあたりでは「メジロ」と呼ばれているアブの仲間もいます。すぐに血を吸われることはないので、身体に止まったら手で払い落とせば大丈夫なんですけどね。
――それだけ自然豊かで、水が綺麗ということなんでしょうね。他にも大変なことってあるんでしょうか?
阿部さん:以前はホースを使った簡易水道で山から清水を引いていたんですが、大雨が降るとホースが流されてしまうんです。裏の川が増水したときは、横にある釣り堀まで冠水してしまい、魚がみんな流されてしまったこともあります。

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昆虫や野生動物と会える?
自然のなかでしかできない体験。
――自然の厳しさを感じる一方で、素晴らしさを感じることもあるんでしょうね。
阿部さん:町で生活しているとなかなか味わえない、自然の魅力を体験していただけると思います。
――どんな体験ができるんでしょう?
阿阿部さん:6月下旬から7月の上旬はホタルが見られますし、夏にはカブトムシやオニヤンマといった昆虫に会うこともできます。サル、シカ、カモシカ、イノシシといった野生動物を見ることもありますね。サルはしょっちゅう見かけますし、キツネもたった一度だけ見ることができました。
――最近よく話題になる、クマに会ったことはあるんですか?
阿部さん:クマは夜間に活動するので会うことはないんですけど、車を運転しているときに見かけたことはありました。クマは逃げていくことが多いんですけど、イノシシは向かってくるから怖いんですよ。
――まさに「猪突猛進」なんですね(笑)。夜になると星もよく見えそうです。
阿部さん:木が多いので夜空は見えにくいかもしれませんが、木の少ない場所に行けば天候次第で天の川まで見えると思います。

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目当てに訪れる人も多い
川魚や種類の豊富な山菜料理。
――お料理も魅力ですよね。
阿部さん:自然のなかで味わうことができる山菜や川魚は喜んでいただけますね。
――一年中楽しむことができるんでしょうか?
阿部さん:春から初夏にかけてがおすすめですけど、それ以外のシーズンでも塩漬けや乾燥、冷凍といった方法で保存して、一年中お召し上がりいただけるようにしています。それぞれの山菜に合わせた調理法で、飽きられないように味付けを変えるようにしているんです。
――山菜の小鉢がお膳を覆い尽くしています(笑)。いろいろな山菜を少しずつ楽しめるのは女性にも喜ばれそう。川魚も人気があるんでしょうね。
阿部さん:そうですね。自家製の木炭を使って炭火焼しているので、内側からしっかりと火が通って柔らかく仕上がるんです。川魚と炭火の距離には気を使って焼いていますね。
――料理を目当てにやってくるお客さんも多いんじゃないですか?
阿部さん:登山のお客様が多いと思われがちなんですけど、実はそれほど多くないんです。どちらかといえばドライブがてらに立ち寄る方や、料理を楽しみに来てくれる方が多いんですよ。本当にありがたいと思っています。
――お話を伺っていて、食事だけじゃなく、ひと晩過ごしてこの自然を満喫したくなりました、
阿部さん:春から秋までいろいろな表情を見せる自然を楽しんでいただけますので、ぜひ遊びに来てください。これからも、お客様に自然の魅力を味わっていただけるように、サービスを提供していけたらと思っています。

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