かき氷が人気の老舗和菓子店「にむらや菓子舗」。
食べる
2020.07.06
和菓子店の店長に聞く、和菓子のこと、甘味処のこと。
新潟市西区、国道116号線沿いにある「にむらや菓子舗 寺尾店」は、創業50年以上の老舗和菓子店の支店です。店舗奥のスペースを利用してはじめた夏期限定の甘味処のかき氷がとても人気だとか。今回は店長の二村さんに、和菓子や甘味処についてのお話を聞いてきました。


にむらや菓子舗 寺尾店
二村 圭子 Keiko Nimura
1965年新潟市西区生まれ。にむらや菓子舗 寺尾店 店長。東京の短大、専門学校を卒業後、新潟に戻って「にむらや菓子舗 寺尾店」の店長となる。趣味は山野草や茶花を育てること。茶道を続けていたことから流派のそれぞれ違う3人と意気投合し「◯△□(まるさんかくしかく)」という茶道ユニットを作って廃墟ビルや山の中など声がかかれば何処ででもお茶会を開いて活動していた。
新店オープンと同時に実家から呼び戻されて、店長に。
——今日はよろしくお願いします。二村さんはどこかでお菓子作りを勉強したんですか?
二村さん:東京の短大を出た後、製菓学校でお菓子作りを学びました。製菓学校を卒業したタイミングで実家が「にむらや菓子舗 寺尾店」を始めることになったんです。私は長女だったので、呼び戻される形で新潟に戻って「寺尾店」を任されることになりました。支店をオープンさせるのはもちろん販路拡大の意味もあったんでしょうけど、娘を新潟に呼び戻す口実だったのかもしれませんね。
——二村さんはまだお若かったんですよね? いきなりお店を任されて大変だったんじゃないですか?
二村さん:そうですねぇ。当時はバブル景気真っ盛りだったから、とっても忙しかったですね。私なんてまだ若くて右も左もわからなかったんだけど、今まで一緒にやってきてくれたスタッフに色々教わりながら、なんとかやって来れたんですよね。

文具店が大火で焼け、お菓子職人の修行に出た父。
——「にむらや」さんの歴史って古いんですか?
二村さん:「にむらや」が創業して50年以上経ってますね。昔は文具店をやっていたそうです。でも昭和28年の内野大火で家が焼けてしまって、それで私の父は「香月堂」へ修行に出たそうです。当時、会津八一にお菓子を届けたこともあったそうですよ。
——どうしてお父さんはお菓子の修行を選んだんでしょうね?
二村さん:おじいさんから、「食べたら無くなるものの方が商売には向いている」って言われてお菓子屋さんを勧められたそうです。当時は越前浜まで自転車でお菓子を売りに行っていたみたい。農家の人たちとも親戚みたいに付き合って、よく法事や祭事のお菓子を頼まれたそうです。法事や冠婚葬祭を派手にやっていたいい時代だったんでしょうね。

和菓子には日本文化のすべてが関わってくる。
——それでは「にむらや」さんのお菓子のこだわりを教えてください。
二村さん:とにかく素材は一番いいものを使うようにしています。その上で、当たり前のことを当たり前にやってお菓子を作ってるんです。素材を活かしながらお菓子作りをしているっていうことですね。あと、季節感や日本の文化を大切にしています。お菓子は、陶芸、茶道、華道、書道といった日本の文化のすべてが関わってくるので、それをしっかり勉強してないと和菓子の仕事はできないんじゃないかって思います。
——なるほど、奥が深そうですね。お菓子のおすすめを教えてもらえますか?
二村さん:「にむらや」で最初に作った「白波まんじゅう」です。やわらかい黄身あんを、やわらかい皮で包みあげた食べやすいお饅頭なんですよ。創業以来50年以上も愛され続けているロングセラーですね。
——そんなに長く続いてるのってすごいですね。その他ではどうでしょうか。
二村さん:四季折々の味を大切にした季節商品に力を入れています。春は「桜餅」や「柏餅」「笹団子」。秋は「栗羊羹」や「芋羊羹」。冬は「ゆずまんじゅう」。これからの夏には「水まんじゅう」や「水羊羹」「夏柑ゼリー」といった涼菓がおすすめです。

夏は甘味処で、かき氷やあんみつを提供。
——「寺尾店」の奥に甘味処があるんですよね?
二村さん:はい。最初のうちは奥のスペースを使って、お友達とお茶会をやったりしていたんです。ギャラリーとして作品展をしたこともありました。そのうち、和に触れる機会の少ないお客様や、和菓子の食べ方を知らないお客様に、和菓子を知ってもらう場としてイートインスペースを始めたんです。その後、和菓子の材料を使って別な商品として提供できないかって考えて、夏の間だけかき氷やあんみつを提供する甘味処を始めたんです。
——なるほど。かき氷の評判はいかがですか?
二村さん:Instagramの影響もあるのか、甘味処を利用するお客様の8割はかき氷を召し上がります。できれば、お帰りの際に和菓子を買っていっていただけるとうれしいんですけど、和菓子はあんまりお買い上げいただけないんですよね(笑)


和菓子を通して日本文化の素晴らしさを伝えたい。
——今後やっていきたいことってありますか?
二村さん:生活スタイルの変化もあって、日本人が日本文化から離れてしまっているように思うんですよ。例えば座布団の正しい座り方とか、贈り物は紙袋じゃなくて風呂敷で包んで持ち歩くこととか…。新潟に住んでいるのに笹団子の食べ方がわからない人もいるんです。だから和菓子を通して日本文化を多くの人に伝えていけたらと思っています。そのためにも、もっと和菓子に触れてもらえる機会を作って、身近に感じていただけたらと思うんです。

にむらや菓子舗 寺尾店
〒950-2064 新潟県新潟市西区寺尾西2-7-7
025-268-5858
9:00-19:00
月曜休
Advertisement
関連記事
食べる
世田谷の洋菓子店から受け継いだ「オランジェット」が看板の「Un sourire」。
2023.04.22
食べる
亀田の老舗割烹がはじめた、ブランド牛の肉料理専門店「YUMERICO」。
2024.11.21
食べる
豆と共に100年近く歩んできた、にいがた人情横丁の「笠原豆店」。
2025.01.18
食べる
いつも新しいを。ワクワクするラーメンの研究所「KUBO LABO」。
2021.01.18
食べる
お客さまに喜んでもらうために。「寿し処 恵」のご主人は心も握る。
2021.02.01
食べる
世界で腕を振るったシェフのいる「アジアン食堂 マナカフェ」。
2020.02.18
新しい記事
食べる
新津にできた「Ensemble」で、
時間を忘れるような食体験を。
2026.05.18
食べる
もっちり食感が、たまらない。
「BAGEL CONTRAIL」の小さな幸せ。
2026.05.17
食べる
手打ちパスタとデザートを楽しむ
新発田市の「Pasta e Dolce CUOCA」
2026.05.16
カルチャー
混ざり合い、熟成し、まちが動き出す。
三島地域に開校する「かんもす大学」
2026.05.15
食べる
新潟にお好み焼き文化を広めたい、
本場の味の「大阪お好み焼き 直」。
2026.05.14
食べる
長岡で、中国を感じる。
大手通りのガチ中華「HaoGui」
2026.05.13


