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古町を若者が集まる街に。ディープな路地裏の「麺屋粋翔 古町別邸」。

以前紹介した新潟市秋葉区の人気ラーメン店「AKIHA 麺屋粋翔」が、2号店「麺屋粋翔 古町別邸」をオープンしました。その場所はというと、ナイトクラブや料亭が立ち並ぶ古町9番町の路地裏。どうしてそんなディープなところでラーメン店をはじめたのでしょうか。「麺屋粋翔 古町別邸」店長の庄司さんにお話を聞いてきました。

 

 

麺屋粋翔 古町別邸

庄司 岳瑠 Takeru Shoji

1999年新潟市生まれ。北越高等学校、大原簿記公務員専門学校卒業。建設会社で働いた後、学生時代にアルバイトしていた「AKIHA 麺屋粋翔」で修行し、2022年4月に「麺屋粋翔 古町別邸」をオープン。身体を動かすことが好きで、社会人サッカーチームで汗を流している。

 

夜の街の路地裏でオープンしたラーメン店。

——このあたりは大人のための夜の街っていうイメージがありますね。昼間は人通りも少ない場所ですけど、どうしてここでラーメン店をはじめたんですか?

庄司さん:今言われたように、この街ってどちらかっていうと飲みに来る年配の方が多いんですよ。でもそれでは街の活気が先細りしてしまう一方なので、若い世代の人が集まる街にしたいと思って、この場所でラーメン店をはじめたんです。

 

——ラーメンって、飲んだ後の〆にはぴったりですよね。そういうお客さんも見込んでいるんですか?

庄司さん:うちは夜8時までしか営業していないんです。飲み屋さんが多いからといって街に合わせた営業をするんじゃなくて、あくまでもラーメン店としてのスタンスにこだわった営業をしていきたいんですよ。

 

——ええっ、そうなんですか? この場所で営業するのに、深夜営業しないのはもったいないような……。

庄司さん:それやっちゃうと今までの古町と同じになってしまって、僕のやろうとしていることがブレてしまうんです。僕は昼夜を問わず若者が集まる古町にしていきたいんですよ。

 

 

——なるほど。それにしても、まさかこんなにわかりにくい場所でオープンするとは……(笑)

庄司さん:けっこうディープな場所にあるので、隠れ家や秘密基地といった雰囲気ですよね(笑)。でも、ここまで足を運んでもらうことで、古町の裏通りにまで来てもらうことができるし、その行き帰りに他の店も回ってもらえたらといいなと思っているんです。

 

——たしかに、ここまで来るまでにはいろいろな店の前を通ってきますもんね。ところで周辺のお店の人たちの反応はいかがですか?

庄司さん:僕たちも挨拶がてら周りのお店に飲みに行きますし、逆にラーメンを食べにきていただいたりもしています。お互いに交流しながら古町を活性化していけたらいいですね。

 

3ヶ月の短い準備期間でオープンした「麺屋粋翔」2号店。

——庄司さんはいつからラーメンのお仕事を?

庄司さん:公務員の専門学校に通いながら、新潟市秋葉区にある「AKIHA 麺屋粋翔」の前身だった「ラーメンふじの新津店」でアルバイトしていたんです。自分が作ったラーメンをお客様が喜んで食べてくれるのがうれしかったですね。

 

——以前は公務員を目指していたんですか?

庄司さん:子どもの頃にイベントで消防車に乗れる体験をしてから、消防士に憧れていたんですよ。でも消防士になる夢を諦めることになって建設会社に就職したんです。僕はじっとしていることが苦手なので、身体を動かす仕事をしたかったんですよね。

 

——アクティブなタイプなんですね。でも、建設会社からラーメン店に転職したのはどうして?

庄司さん:会社勤めをしているなかで、いろいろな不満が出てきてしまって……。その愚痴を僕が以前アルバイトしていた「AKIHA 麺屋粋翔」のマスターに聞いてもらったんです。あるとき「会社を辞めたい」という話をしたら、「じゃあ、うちの店で働いてラーメン屋をやれば?」って誘ってもらったので「AKIHA 麺屋粋翔」で働くことにしました。

 

 

——そのときは「麺屋粋翔」の2店舗目を作る話ってあったんですか?

庄司さん:ありました。2店舗目を僕に任せたいと言われたので、是非やりたいと答えたんです。それからは3ヶ月間みっちりと2号店オープンのための勉強や準備をしました。マスターからいろいろなことを教えてもらえて、とても濃い3ヶ月間でしたね(笑)

 

——かなり短期間で勉強や準備をしたんですね。マスターからはどんなことを教わったんですか?

庄司さん:ラーメン作りから接客まで、いろいろなことを教わりました。なかでも、どんなに忙しいときも広い視野を持って、まわりを見る癖をつけるようにするという教えは、自分でお店をやる上でとても役に立っています。

 

——とても大事なことですね。そうして迎えたオープン初日は、どんな様子だったんですか?

庄司さん:おかげさまで多くのお客様が並んでくださったものの、オペレーションにはまだ慣れないところもあってテンパりましたね(笑)。でも「AKIHA 麺屋粋翔」のマスターをはじめ、いろいろなラーメン店の先輩たちが手伝いに来てくれて、そのおかげでなんとか乗り切ることができました。マスターの人徳には感謝しかありませんでしたね。

 

中央区の人たちに、新津の食材の魅力を伝えたい。

——「AKIHA 麺屋粋翔」とは同じラーメンを提供しているんですか?

庄司さん:いいえ、同じ材料を使っていますけど、まったく違ったラーメンを提供しています。

 

——そうなんですね。ラーメンは「濃厚味噌拉麺」と「新潟醤油拉麺」の2種類のみですよね。どんなことにこだわって作っているんでしょうか?

庄司さん:「AKIHA 麺屋粋翔」同様、新潟県産や秋葉区産の素材にこだわるようにしています。味噌や醤油は南区の老舗醸造所で作られたものを使っていますし、麺も新津産の「もち麦」を使っています。うちのラーメンに秋葉区や南区の食材を使うことで、中央区の人たちにも紹介できたらいいなと思っているんです。

 

 

——そこは「AKIHA 麺屋粋翔」のDNAを受け継いでいるんですね。

庄司さん:そうですね。今後は秋葉区の農家にも協力していただいて、自分たちで中華麺用の小麦を栽培する予定なんです。

 

——自家栽培した小麦で麺を作るんですか! なかなかの徹底ぶりですね(笑)。他にも今後やってみようと思っていることはあるんでしょうか?

庄司さん:これからはコロナ禍で中止されてきたイベントもどんどん再開されていくと思いますので、積極的に参加してお店のPRをしていきたいですね。それでどんどんお店に人を呼んで、古町を若者が集まる街にしていきたいです。

 

 

 

麺屋粋翔 古町別邸

新潟市中央区西堀前通9番町1533

025-378-1991

11:00-15:00/17:00-20:00

日曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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