身体に優しい食事やスイーツ、アートが楽しめる「GALLERY&CAFE VUCA」。
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2022.12.27
新潟市秋葉区に「GALLERY&CAFE VUCA(ギャラリーアンドカフェ ヴーカ)」という、ギャラリーとカフェが一緒になったお店があります。以前ご紹介したアーティスト・今井翔太さんの個展を開催中の「VUCA」にお邪魔して、オーナーの瀧澤さんからお店についてお話を聞いてきました。


GALLERY&CAFE VUCA
瀧澤 美冴 Misae Takizawa
1992年新潟市南区生まれ。長岡造形大学卒業。金沢の舞台制作会社で働いているときにナチュラルフードへの関心が芽生え、イタリアンダイニング、給食施設で調理経験を積みながら、調理師免許やフードコーディネーターの資格を取得。2021年より「GALLERY&CAFE VUCA」の経営を引き継ぎオーナーとなる。
ハードな舞台美術の仕事で、健康への意識が芽生える。
——とってもお洒落な雰囲気ですけど、こちらはどんなカフェなんでしょうか。
瀧澤さん:身体に優しいメニューを楽しみながら、新潟県を拠点に活動しているアーティストの作品をゆったり鑑賞することができるカフェです。
——そうなんですね。瀧澤さんはどうしてこのカフェをはじめようと思ったんですか?
瀧澤さん:「VUCA」を開業したのは実は私じゃなくって、新潟を拠点に活動しているアーティスト・倉持至宏(くらもちしこう)さんなんです。倉持さんが2017年にはじめて、私は昨年から経営を引き継いだんです。最初は経営のことなんてまったくわからなかったので苦労しましたけど。最近になってようやく慣れてきたところです(笑)

——瀧澤さんもアートやものづくりがお好きだったんですか?
瀧澤さん:私は子どもの頃からものを作ることが好きで、粘土細工を作ったり、おもちゃをわざわざ壊して組み立て直したりして遊んでいたんです。絵を描くことも好きだったんですけど、どちらかといえば立体作品を作る方が好きだったので、彫刻をやりたいと思うようになりました。
——じゃあ、彫刻の勉強を?
瀧澤さん:最初はそのつもりだったんですけど、長岡造形大学に「美術工芸科 ガラスコース」があることを知って、そちらに進学することにしました。ガラス工芸の勉強ができる学校っていうのは全国でもなかなかないので、とても貴重な機会だと思ったんです。
——なるほど。卒業後はガラス工芸の道に?
瀧澤さん:ガラス工芸っていうのは生活雑貨という枠のなかで作ることがほとんどなんですけど、私のやりたい表現とはちょっと違うと感じたんです。だから材料にとらわれずに幅広い表現ができる舞台美術の仕事を選んで、金沢にある制作会社に入社しました。
——舞台美術というと、大道具を作ったりする……?
瀧澤さん:そうですね。現場仕事がほとんどだったので、体力がないと持たないんですよ。だから筋トレをしたり、街乗りの自転車で20km以上走ったりして身体を鍛えていました。おかげで脇の下がしまらないほど筋肉がつきましたね(笑)

——アスリート並みですね(笑)
瀧澤さん:筋トレだけじゃなくて食事にも気を使うようになりました。当時はあまりの忙しさで不規則な食生活になっていて、それが身体だけじゃなくメンタルにも影響していたんです。そこで精進料理、マクロビ、ヴィーガン、薬膳などの食事療法について調べるようになって、ナチュラルフードに興味を持つようになりました。
——実際に試してみたんですか?
瀧澤さん:はい。食事をナチュラルフードに変えてみたら、体調だけじゃなくてメンタルまで改善されたんですよ。身体が軽くなるばかりか、スタミナもつくようになりました。その頃から「ヘルシー志向のメニューを提供するカフェを自分でやってみたい」と思うようになったんです。
——料理はどちらで勉強されたんですか?
瀧澤さん:新潟に帰ってイタリアンダイニングや給食施設で調理の仕事をやりながら、ナチュラルフードコーディネーターの資格や調理師免許を取りました。

身体に優しい食材を使った、カフェメニュー。
——瀧澤さんが「VUCA」を引き継がれてから変えたことはあるんですか?
瀧澤さん:以前は貸しギャラリーとして営業していたんですが、今はカフェをメインにしていて、私が選んだアーティストの作品を展示しています。
——カフェのメニューはどんなことにこだわって作っているんでしょうか。
瀧澤さん:自分が食べたいもの、食べて嬉しいものを提供するようにしています。それはつまり、身体に優しいお料理やスイーツということでもあるんです。添加物をできるだけ使わないというのはもちろん、白砂糖、小麦粉、揚げ油、動物性たんぱく質は使わないようにして、身体に負担の少ない他の食材で代用するようにしています。野菜も地場産の安心できるものを使っていますね。
——代用というのは例えばどんなもので?
瀧澤さん:パスタの麺には小麦粉の代わりに黄色エンドウ豆を原料にしたものを使っています。時間が経ってもモチモチ食感のままでのびにくく、ソースとの絡みや具材との相性も抜群ですし、肌荒れまで改善されるんです。

——そんな麺があることをはじめて知りました。白砂糖も使っていないというお話でしたけど、それはどんなもので代用しているんでしょうか。
瀧澤さん:白砂糖の代わりにキビ糖や甜菜糖、オリゴ糖を、スイーツや料理に合わせて使い分けています。
——そのようにして作っているメニューのおすすめを教えてください。
瀧澤さん:スイーツのなかではリピーターが多い「チーズテリーヌ」でしょうか。ホワイトチョコとクリームチーズを低温でじっくり焼いた、口溶けのいいケーキなんです。フランボワーズソースとの相性もいいんですよ。

——ドリンクはどんなものがあるんでしょうか。
瀧澤さん:いちばん人気があるのは「フラッピーレモネード」っていう、バタフライピーと自家製レモネードで作るドリンクですね。味はもちろん、見た目も映えますので喜んでいただけます。でも寒くなってきたので、これからの季節は「ホットジンジャーエール」がおすすめです。コーヒーは県内で珍しいフレンチプレスでお出ししていますし、そのときどきの展示作品に合わせた豆を選んでいるんですよ。
——へ〜、それは面白いですね。
瀧澤さん:展示アーティストとのコラボメニューをお楽しみいただけることもありますし、展示作品に関連したグッズの販売をしたり、作品に購入特典をつけたり、カフェだけじゃなくギャラリーを盛り上げる方法もいろいろ考えています。
——カフェとギャラリーの相乗効果もありそうですね。
瀧澤さん:カフェのお客様は若い方が多いし、SNSを使った発信力も持っていると思うんです。展示しているアーティストの作品が、このカフェをきっかけに別な角度からも注目されるようになったら嬉しいですね。カフェの料理やスイーツも私の表現する作品だと思っていますので、それを理解して楽しんでいただけるお客様が来てくれると嬉しいです。

GALLERY&CAFE VUCA
新潟市秋葉区程島2050-8
0250-47-7270
11:30-19:00(日曜は17:00まで)
月〜木曜休(祝日は不定休)
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