オーガニック食品の楽しさを届ける、燕市吉田の「Mother Organic」。
食べる
2023.08.04
今年6月、燕市吉田に誕生した商業施設「ネクストジェネレーションタウン」。コンテナハウス型のテナントが立ち並ぶその一角に、「Mother Organic」というオーガニックショップがあります。こちらをはじめたのが吉田出身で、現在は神奈川でWEB制作の会社を営む堀口さん。今回は堀口さんに、地元へUターンしオーガニックショップをオープンした経緯や、お店で扱っている商品についてお話を聞いてきました。


株式会社MAYROW
堀口 寿一 Toshikazu Horiguchi
1981年燕市吉田生まれ。19歳のときに上京し、都内を転々とした後、WEBサービスの構築や広報PRを手がける「株式会社MAYROW」を立ち上げる。2023年6月に燕市吉田でオーガニックショップ「Mother Organic」をオープン。
国内外のちょっと珍しい食品や、地元の減農薬・無農薬野菜が並ぶオーガニックショップ。
——こちらはどんなオーガニックショップなんでしょう?
堀口さん:「五感でオーガニックを楽しむ」というテーマで、国内外のオーガニック食品や、地元を中心として作られた減農薬・無農薬のお野菜を取り扱っています。
——「五感で楽しむ」というのは?
堀口さん:お客様には「ここに来ると楽しい」という体験をしてもらいたいと思っていて、商品を目で見て手に取っていただいて、試食もできますし、お子さんが遊べる場所もあるんです。あとはアートやヨガ講師の方とコラボして、ワークショップも開催していく予定です。

——お店に並んでいる商品で、堀口さんのおすすめがあれば教えてください。
堀口さん:例えばこれはチョウザメの糞を養分にして水耕栽培した野菜のサラダセットなんですけど、すっごく美味しいんです。8月からはこの野菜でサラダを作って販売させていただきます。いろんな方にこの美味しさを知って欲しいですね。
——へ~、環境に優しくてしかも美味しい野菜なんですね。お花やハーブも入っていて見た目も綺麗です。
堀口さん:卵を使っていないヴィーガンのマヨネーズとか、バルサミコ酢のスプレーとかも、この辺りにはあまり売っていない商品だと思います。あとおすすめしているのが、ベルギーのノンアルコールビール。ベルギービールをつくった後にアルコールを抜いたものなので、味がベルギービールそのものなんですよね。これもぜひ飲んでみて欲しいです。

——扱う商品は、堀口さんやスタッフさんがリサーチしたなかから決めているんでしょうか。
堀口さん:そうですね。特に野菜は生産者さんのところに実際に行って、どういう野菜なのか、どういう方が作っているのかを見てから仕入れさせていただいています。無農薬で作られたお米も扱っているんですけど、無農薬って雑草とか虫との戦いで、すごく大変らしいんですよ。
——私たちの想像以上の手間がかかっているんだろうなと思います。
堀口さん:だからこそ、無農薬とか減農薬で作られている方ってすごく思いを持っていて。だけど作ったものがスーパーに並んでいるだけだとその思いも伝わりづらいし、もったいないなと思ったんです。だからこういう小さい空間で、お客様との会話のなかで生産者さんの思いもお伝えできればと考えています。

父親の闘病生活を支えるなかで感じた、食品選びの大切さ。
——堀口さんはどうして地元である燕市でオーガニックショップをオープンされたんでしょう?
堀口さん:2年前に父親ががんで亡くなって。一緒に闘病生活を送るなかで、抗がん剤などを受けずに、ふたりで試行錯誤しながら食事や生活習慣を見直す方法を試してみたんです。お医者さんには余命半年だと言われていたんですけど、結果的には宣告から1年半くらいまで一緒に過ごすことができました。意識もしっかりしていましたし、亡くなる1カ月前も一緒にゴルフに行っていたんですよ。
——試行錯誤した甲斐あって、より長く一緒に、しかも元気に過ごされたんですね。
堀口さん:それで無農薬の野菜や食品添加物を使っていない食品の大事さを痛感しましたし、オーガニック食品に、父とのかけがえのない時間を与えてもらったなという思いがあります。それが「オーガニックショップをやりたい」と思ったきっかけですね。
——堀口さんはオーガニック食品の魅力を誰よりもよく知られているわけですね。
堀口さん:それと、僕は19歳のときに「吉田って何もなくてつまらないし、毎日曇っているし嫌だ」と思って東京に出たんですよ。だけど父の看病で戻ってきてみたら、すごく素敵なお店があったり、僕らの世代で頑張っている人たちがいたりすることを知って、それに触発されたというのもこの場所でお店をはじめたもうひとつ理由です。

——この「ネクストジェネレーションタウン」内でオープンすることになったのは?
堀口さん:最初はこことは違うところで場所を見つけて、コンテナを借りてきて自分でお店を作ろうかなと思っていたんですけど、難しくて一度諦めたんです。それから1年くらい経った頃に、この場所での出店をお声がけいただいて。ここならはじめやすいし、いろんな方に認知されたらいいなと思いました。
——この場所だとふらっと立ち寄る人も多そうですもんね。
堀口さん:オーガニックショップって神奈川とか東京には結構あるんですけど、こっちにはほとんどないですよね。そのなかでうちが起点となって、オーガニックとか無農薬とか、そういう言葉だけでも認知してもらえるきっかけなれたらいいなと思っています。

——今後は新しい取り組みをどんどんはじめていくそうですね。
堀口さん:まだ構想中なんですけど、隣のコンテナを貸してもらってキッチンを作る予定なんです。ここは夜になるとゆったり過ごしていただけますし、僕が生ハムとシャンパンとかがすごく好きなので、そういうものも提供できたらいいなと。あとは商品や生産者さんを紹介したフリーペーパーを発刊して、ウェブとリアルの両方で発信していきたいと思っています。

楽しみながら「オーガニック」を体験してほしい。
——お店を通じて、ここに来る方へどんなことを伝えていきたいですか?
堀口さん:今、世の中に溢れるくらい商品の情報がありますけど、そのすべてが正しいわけではないと思うんです。そのなかからどれが正しいと思うかとか、自分に合ったものをチョイスしていけるかで、その人の人生の豊かさって大きく変わるんだろうなと思っていて。だから僕たちが信じる情報や、自信を持っておすすめできる食材を提供することで、その魅力に気づいて欲しいというのがいちばんの思いです。
——最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
堀口さん:家族とかで気軽に来ていただいて、楽しみながら「オーガニック」を体験してもらいたいですね。怖いものでもないし、おしゃれで、手に取ったら楽しくなるような食品もたくさんあるので、そういうところから興味を持っていただけたら嬉しいです。

Mother Organic
燕市吉田西太田字札木844-1
平日 12:00-18:00/土日祝 10:00-18:00
木曜定休
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