懐かしさと人の温もりを感じられる「カフェと古道具 ハナモモ」。
カフェ
2024.07.21
今年の5月に下大川前通にオープンした「カフェと古道具 ハナモモ」。名前の通り、古道具も扱っているカフェで、店内に置かれている家具や雑貨類もお店の商品です。2階へ続く細くて急な階段を登るとき、懐かしくて「昔の実家みたい」とつぶやいてしまいました。今回は店主の近藤さんに、カフェをはじめたきっかけやオープンに至るまでのエピソードなどいろいろとお話を聞いてきました。

カフェと古道具 ハナモモ
近藤 千春 Chiharu Kondo
1974年柏崎市生まれ。高校卒業後に和裁を学び、和裁士として活動。その後、古道具を扱うアンティークショップで働く。8年前に「ハナモモ」の名称で古物商免許を取得し、イベントやオークションに参加しはじめる。カフェやおにぎり店で経験を積んだ後、2024年に「カフェと古道具 ハナモモ」をオープン。はなちゃん、ももちゃん、ふたりの娘さんのお母さん。

着物づくりの職人から、古道具の道へ。
——まずは近藤さんがこれまでにどんなことをされてきたのか、教えてください。
近藤さん:高校卒業後は和裁を勉強して、出産後も40歳くらいまで和裁士をしていました。いわゆる、お着物を作る仕事ですね。でもそのお仕事はきっぱりやめて、次はアンティークショップで働きました。
——和裁とはまた違うジャンルの仕事をされたんですね。
近藤さん:10年ほど前に中古住宅を購入したんですけど、私、その頃から古道具がすごく好きで。古い感じを生かしてくれる業者さんに自宅の家具選びだとかをお願いしたんです。その業者さんがアンティークショップをはじめるときに「お店で働きませんか」とお誘いいただいたのが、今につながっています。お店は1年もせずに閉じることになったんですけど、それから「ハナモモ」という屋号で、私自身が古物商の活動をはじめるようになったんです。イベントやオークションに参加するようになって、そこで出会った皆さんには今でもお世話になっています。

——アンティークショップの方はどうして近藤さんを誘ったんでしょうね。
近藤さん:自宅を改装していた時期、ほぼ毎日顔を合わせていましたし、私とは息がピッタリだったんですよ。「ちょうどいいタイミングで、ちょうどいい人がいた」って感じだったんじゃないですか(笑)。知人には「着物づくりをやめてしまってはもったいない」と言われましたけど、和裁の仕事には「やりきった感」がありました。またいつでも再開できると思っていたので、迷いはなかったですね。
——もともと古道具がお好きだったんですか?
近藤さん:カントリーテイストのものやアジアン雑貨にもハマったし、家具や小物類が好きなんですね。田舎の祖父の家がまさに「古いものが集まっている家」って感じだったのも影響しているかもしれません。父親も古道具が好きなので、小さい頃から古道具が身近にあったんでしょうね。

「いつか」は、本当にやってくるのか。決断の決め手は、占い師の後押し。
——近藤さんと古道具がつながってきました。カフェはどうですか?
近藤さん:「ハナモモ」として活動をしながら、5年ほど前にお蕎麦屋さんで働きはじめたんです。もう、飲食業がめちゃくちゃ面白くて。「60歳になったら、ゆる〜く喫茶店をやりたいな」と思うようになりました。でもふと「このまま蕎麦屋で働いていてもカフェなんてできないぞ」と気がついたんです。それから土日はカフェ、平日におにぎり屋さんでも働きはじめて一時期はトリプルワークをしていました。

——実際には60歳という目標よりも早くカフェをオープンされましたね。
近藤さん:実は去年、友人が急に亡くなってしまって。私より若かったのに、無念だっただろうなといろいろ考えていたら「いつかじゃダメだ」って思ったんです。60歳で元気かどうかもわからない。いつどうなるかわからないって。それで「もうこれは占いに頼ろう」って、3人の占い師さんに相談しました。
——どうだったんですか?
近藤さん:「カフェのオープンは、今年か来年だったら大丈夫」と言われました。「その次のチャンスは10年後」と言われたので、「じゃあ、もうすぐにでも動き出さなくちゃ」って気持ちを切り替えました。
——どんなお店にしたいと考えていたんでしょう?
近藤さん:カフェだけじゃなくて、古道具も扱うお店にしようと決めていました。値札が付いていないものもありますが、お店にある家具や雑貨類はほとんど販売できます。

紙に書き出したこれまでの出会いが、大きな力に。
——おにぎりのプレートメニューがありますね。おにぎりのお店で働かれていただけあります。
近藤さん:ほんとうにいろいろなものが今につながっているんですよ。おにぎりもそうですね。一時期「NEST MEIKE SHINMEI」のジェラートショップ「ハナタバ」さんでも働いていて、そのご縁で「ハナタバ」さんに作っていただいたオリジナルジェラートを提供しています。コーヒーは去年出会った「オルテガ」さんが、「ハナモモ」の由来であるふたりの娘をイメージして焙煎してくださったものですし、電気系統や看板、塗装など、お店のオープンに至るまで大勢の方に力を貸していただきました。もう、思い出すと涙が出ちゃう。

——そんなふうに周囲の方々の力でお店を作るというのは、意識されていたんですか?
近藤さん:それも占いの力なのかな。友人でもある占い師さんが「今まで出会った人をここに書いてみて」って言うから、紙に書き出したんです。「何の意味があるんだろう」と不思議に思っていたんですけど、オープンに向けて準備が進むにつれ「看板はどうしようかな。あ、あの人にお願いしよう」とか次々に考えが思い浮かんできて。きっと、あの紙への書き出し作業が「私の周りには、力になってくれる人がたくさんいるんだよ」って気づかせてくれたんでしょうね。
——近藤さんにとってこのお店は大切な場所だと思います。これからどんなお店にしていきたいですか?
近藤さん:「皆さんのお陰で実現できたことがたくさんある」ってすごく感じているんです。なので、この場所でもまた、いろいろな人がつながってくれたらいいなと思っています。店舗を持たずに活動している友人も多いので、そういった方が活動する場として「ハナモモ」を使ってくれてもいいですしね。近隣にはマンションがたくさんあって、信濃川沿いには案外ベンチが多いんですよ。立地を生かして、テイクアウトにも力を入れたいと思っています。

カフェと古道具 ハナモモ
新潟市中央区下大川前通5-2198
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