コーヒーのある暮らしを提案する、学校町通のコーヒースタンド「FINCH&FIKA」。
カルチャー
2025.07.14
学校町にあるインテリアショップ「FINCH&HOME(フィンチアンドホーム)」の1階に、「FINCH&FIKA(フィンチアンドフィーカ)」というコーヒースタンドがあります。スウェーデン語で「コーヒーブレイク」を意味する「FIKA」。そんな言葉があるくらい、現地ではコーヒーを飲む時間が文化として大切にされているんだとか。そんな「コーヒーのある暮らし」を提案する店長さんに、お店のことや、コーヒーのことなど、いろいろとお話を聞いてきました。

FINCI&FIKA
店長さん
富山県出身。大学進学をきっかけに、新潟に住みはじめる。学生時代に飲んだ一杯のカフェラテがきっかけでコーヒーにハマる。2024年にオープンした「FINCH&FIKA」の店長としてお店に立つ。趣味はアルビの試合を觀ること。

きっかけは、1杯のコーヒー。
――今日はよろしくお願いします。店長さんは「FINCH&HOME」のスタッフさんなんでしょうか?
店長さん:いえ、「FINCH&HOME」では働いていないんです。平日は会社員として他の企業で働いていて。もともと、「FINCH&HOME」のお客さんだったんです。
――えっ、そうだったんですね。このコーヒースタンドができるまでに、どんな経緯があったのでしょう。
店長さん:「FINCH&HOME」で買ったテーブルを組み立てに、社長と奥さまが我が家に来てくださったときがあったんです。そこでコーヒーを淹れてお出ししたところ、「おいしい」って感動してくれて。コーヒーが飲めない奥さまにも喜んでもらえたんです。そしたら社長が「うちでコーヒー出してみない?」って誘ってくれました。そのとき、社長はちょうど「FINCH&HOME」でコーヒースタンドをやるために、人を探していたときだったんです。

――なんというタイミング。そもそも、店長さんがコーヒーにハマったきっかけは?
店長さん:大学生時代に、あるカフェで飲んだカフェラテに感動したんです。その一杯が忘れられなくて、そこで働きたいと思ったんですけど、そのお店ではアルバイトを募集していなかったんです。でもそのお店の系列店が新しくオープンするって知って、さっそくオープニングスタッフの募集に申し込みました。面接の人に「あなたがいちばん早かった」って言われるくらい(笑)
――それくらい、即決だったんですね(笑)
店長さん:そうなんです。無事に採用していただけて、お店のオープン前に受けた研修でコーヒーの淹れ方を勉強しました。温度やドリッパーが変わるだけで味わいが違うことに衝撃を受けましたね。そのとき、コーヒーにどっぷりハマったんです。
――大学卒業後はコーヒーを仕事にするという選択肢はあったのでしょうか。
店長さん:そうしたい気持ちはあったし、たくさん悩んだんですけど、一般の企業に就職することを選びました。 でも、コーヒーと関わり続けたい気持ちはずっとあって、知り合いのお店を何度か手伝ったこともありました。コーヒーを淹れることをやめたくなくて、細々と続けていましたね。

――そんな思いが通じて、今に至るということですね。ところで、インテリアを扱うお店がコーヒーショップをはじめたのは?
店長さん:「FINCH&HOME」は「より良い暮らし方の提案」をコンセプトに北欧の家具を取り扱っています。社長はお店の提案のひとつとして、北欧のコーヒー文化を取り入れた暮らし方を伝えたいと思っていたそうで。このお店ではコーヒーのある暮らしを提案できるようなお店づくりをしています。
大切なのは、再現性。
――「コーヒーのある暮らし」を提案するために、店長さんが大切にしていることを教えてください。
店長さん:コーヒーのレシピを考えるにあたって、再現性があるコーヒーであることにこだわっています。暮らし方の提案をしたいので、お家で再現できるレシピでコーヒーを出していますね。お客さまにとって手に取りにくい器具は使わず、お家でもできる淹れ方でご用意しています。
――このお店だけで飲める味じゃなくて、お家でも再現できる味なんですね。
店長さん:コーヒーって、こだわろうと思えばいくらでもできるし、その楽しさはよく分かるんです。でも、こだわればこだわるほどお店のコンセプトからは離れてしまう気がしていて。新しい淹れ方を考えているときも、お客さんが自分の家で再現できるかを常に意識しています。

――それなら初心者でも安心ですね。私自身、コーヒーの淹れ方がよくわからないのですが、教えてもらえるものなのでしょうか……。
店長さん:もちろんですよ。使う道具から、お湯の温度、一度に入れるお湯の量など、いくらでも教えます。企業秘密はないので(笑)。 北欧の家具に囲まれて、ここでコーヒーを飲んで、「こんな暮らしがしたい」と思ってもらうのが、このお店のいちばんの目的ですから。

――「FINCH&HOME」のコーヒースタンドとあって、店内の家具もすべて北欧のものなんですね。
店長さん:ここは「FINCH&HOME」のショールームでもあるんです。普通のインテリアショップで家具を試すときって、「ちょっと使ってみる」くらいだと思うんですけど、ここではコーヒーを飲みながら使い心地をしっかり確かめられますよ。家具とコーヒーって相性もいいし、似ていると思うんです。
――どんなところに、共通点が?
店長さん:どちらも、入り口としては「よくわからないけど、なんかいい」と感じてもらえたらOKだと思うんです。家具は使いやすさの裏にすごく細かいこだわりや、メーカーの思いが詰まっているんですけど、必ずしもそれらを知る必要はないと思っていて。コーヒーも同じで、豆や温度、淹れ方にこだわりはありますけど、最初はそれを知らなくても「なんとなく美味しい」と思ってもらえたら、それでいいんです。
――ふむふむ。
店長さん:コーヒーって奥深いっていうイメージが先行して、ハードルが高いと感じている方もいると思うんです。そんなことなくって、その人が感じたことが正解だし、正解は何個あってもいいと思います。このお店が、コーヒーも家具も、もっと気軽に捉えてもらえる場所になれば嬉しいですね。

――こちらでは、スウェーデンのお店の豆を使ったコーヒーが楽しめるんですね。
店長さん:「FINCH&HOME」と同様、北欧のものを使いたくて、スウェーデンの「Drop Coffee Roasters」さんの豆でコーヒーを出しています。このロースターさんの豆は透明性が高くて、自分の理想のコーヒーの味わいを作りやすいんです。
――どんなことから、透明性が高いと言えるんでしょう。
店長さん:どこで採れた豆なのか、いつ焙煎したのかはもちろん、豆の収穫時期や農園からいくらで買い付けたのか、ということまで公開しているんです。「Drop Coffee Roasters」さんは焙煎したての豆を納品してくれるので、雑味がなくて明るい、鼻に抜ける香りが華やかで、余韻が長く続くコーヒーをお出しすることができるんです。もちろん豆は販売しているので、ご自宅でも楽しめますよ。

――「コーヒーのある暮らし」、私もやってみたくなりました。「FINCH&FIKA」でコーヒーを出してみて、手応えはいかがですか?
店長さん:はじめたては「コーヒーが好きだからこそ、やらないほうがいいのでは?」とか、「私のコーヒーは本当に美味しいの?」って悩んだこともありました。でもお店に立ってコーヒーを出して、お客さんから「美味しい」って言ってもらえると、お店やって良かったと思えるんです。たくさん悩んだけど、この決断は間違いじゃなかったんだなって。
――たくさん考えたからこそ、感じられた思いですね。最後に今後の目標を教えてください。
店長さん:今はハンドドリップでコーヒーをお出ししていますが、エスプレッソ系のドリンクも出したいなって考えています。エスプレッソもすごく奥が深くて面白いんですよ。このお店から、コーヒーの面白さを広めていきたいんです。私が一杯のコーヒーに影響を受けたみたいに、ここのコーヒーが、誰かに影響を与えられる1杯になればいいなと思っています。

FINCH & FIKA
新潟市中央区学校町通2番町5305−1
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