極太麺と煮干香るスープが印象的な
「麺屋 川の口」の背脂ラーメン。
食べる
2025.11.25
県道3号を新発田方面に向かって進んでいくと、木崎の交差点を越えたあたりで「らぶあせ」と書かれた看板や、ラーメンをモチーフにしたようなキャラクターの描かれた懸垂幕を目にします。それらを掲示しているのは、先月オープンしたばかりのラーメン店「麺屋 川の口(めんや かわのくち)」。「らぶあせ」やキャラクターにはいったいどんな意味が込められているのか。店主の川ノ口さんからお話を聞いてきました。
川ノ口 慎一郎
Shinichiro Kawanokuchi(麺屋 川の口)
1980年燕市生まれ。中華飯店やホテルで中華料理を経験した後、複数のラーメン店を経営する飲食企業に勤めてラーメン職人としての腕を磨き、2025年に独立して新潟市北区に「麺屋 川の口」をオープンする。プロレスが好きで内藤哲也選手を応援している。
独立を考えたことなどなかったのに
自分の店をオープンした理由。
――キャラクターがいるラーメン屋さんって珍しいですね。
川ノ口さん:よく見ていただくと「川の口」という文字が使われています。市街地と違って車で通る方が多い場所なので、一瞬で目に止まるキャッチーなものがほしかったんですよ。キャラクター以外にも「らーめん」の文字を右肩上がりに入れたり、「せあぶら」の文字を「らぶあせ」と逆から入れて、いろいろと目を引く工夫しています(笑)。ソフトでアットホームなイメージにしたかったというのはありますね。
――川ノ口さんも親しみやすいキャラクターですよね(笑)。独立は以前からの夢だったんでしょうか?
川ノ口さん:独立したい気持ちはなかったんです。それどころか、ずっと会社に勤めながらラーメンをつくっていたかったんですよね(笑)。ただ、父の勤めていた寿司店がコロナ禍の影響で閉業してしまい、寿司に関われなくなった父の姿を見ていたら、「独立した方がいいのかも」という気持ちが生まれました。
――会社に左右されず、ずっとラーメンをつくり続けたいということですね。
川ノ口さん:同じラーメングループで働いていたなかでも独立している人は多かったし、「お前は独立した方がいい。そうじゃないと死ぬときにきっと後悔するから」と周りの人からも言われていたんです(笑)
――背中を押してくれる人がたくさんいたんですね。
川ノ口さん:本当に人に恵まれていると思いますね。オーブンにあたってスタッフを募集したのに、1週間前になっても応募がなかったので困っていたんです。ところが周りの人たちからの紹介で、あっという間にスタッフが集まったんですよ。とても感謝しています。

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繊細さや奥深さを知ったことから、
ラーメンづくりにハマる。
――川ノ口さんは以前もラーメン店で働いていたんですね。
川ノ口さん:いろいろなラーメン店を抱えるグループ会社に勤めていました。その前は中華料理をやっていたんです。
――そうだったんですか。どうして中華料理を?
川ノ口さん:学生時代に中華料理店でアルバイトしていた経験があって、中華料理の面白さを知りました。寿司職人だった父の背中を見てきたので、自分も料理の道に進むんだろうなと何となく思っていたんです。
――お父さんと同じ、寿司職人にはならなかったんですか?
川ノ口さん:朝早くから夜遅くまで働いている姿を見てきたので、自分には寿司職人の仕事はできないと思っていました(笑)
――中華料理からラーメン店で働くことになったのは、どうしてなんでしょう?
川ノ口さん:それまでやってきた中華料理の経験が応用できるんじゃないかと思って、東区にあるラーメン店で働きはじめました。ところが中華料理とラーメンは、似ているようでまったく別な料理だったんです。
――そんなに違うんですか。
川ノ口さん:実は内心ではラーメンづくりをなめていたんです。それまで中華料理をやってきたから、ラーメンなんて楽勝だろうと思っていました。ところが、やってみたら繊細で奥が深くて、すっかりハマってしまいました。
――それでラーメン職人の道を進むことになったんですね。
川ノ口さん:そうなんです。グループ内のいろいろな店で経験を積ませてもらって、いい上司や先輩にも恵まれたおかげで、ラーメンづくりの面白さや仕事への心構えを学ばせてもらいました。

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苦労の末に生み出した
超極太縮れ麺と魚介スープ。
――こちらのお店の看板メニューは「背脂らーめん」みたいですね。
川ノ口さん:この辺りにはあっさりラーメンのお店が多いので、差別化するためにも背脂ラーメンをメインにしたんです。燕の背脂醤油ラーメンとも違ったラーメンを目指しました。
――ちょっと珍しいくらい超極太の縮れ麺ですよね。
川ノ口さん:製麺所さんとひと月かけて話し合いや試作を重ねて、苦労の末につくり上げました(笑)。手揉みの加減が難しい上に、茹で上がりに時間がかかってしまうんですけど、その分風味や食感をお楽しみいただけると思います。
――確かに食感が面白いです。あとスープを飲んだとき、煮干しのうま味をストレートに感じますね。
川ノ口さん:スープの味をつくるときは、なかなか思い描いた味が出せなくて苦労しました。いろんな先輩に相談して、ヒントをもらったことでようやく辿り着いた味なんです。本当に感謝しています。
――背脂とのバランスもいいですね。
川ノ口さん:スープの底には刻み柚子も入れてあるんです。そうすることで、あっさりした印象でラーメンを食べ終わっていただけるんですよ。ぜひ味の変化も楽しんでいただきたいですね。
――柚子がデザートのような役割を果たしているんですね。
川ノ口さん:そうですね。ただ、様々な事情でスープの量は1日100杯分が限界なんです。そのためにスープが終わり次第に営業終了せざるを得なくて、お客様には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。そこで夜営業は当分お休みして、スープを昼営業に回すことで、営業時間を長くできるようにしています。


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お客様はもちろんスタッフも……
「人を大切にする店」を目指したい。
――お店を続けていく上で、心掛けていることがあったら教えてください。
川ノ口さん:人を大切にしながら営業していきたいですね。お客様はもちろんですけど、働いてくれているスタッフにも感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。店のことを思ってよく働いてくれるので、いろいろと助けてもらっています。本当にいい人達が集まってくれたと感謝していますし、スタッフのためにも店を守っていきたいですね。
――人に恵まれるのは、川ノ口さんの人柄がいいからじゃないですか。
川ノ口さん:そんなことはないと思いますけど、そうだったら嬉しいですね(笑)。とにかく、明るい雰囲気のなかで働ける環境づくりを目指しています。スタッフたちがこれを読んだら「やっていない」と思われるかもしれないけど、僕はやっているつもりなんです(笑)

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