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お米のピューレと新潟県産の材料でできた「こめへんジェラート」。

酒屋さんが作る、お米を使ったジェラートとは。

新潟市江南区にある「長谷川熊之丈商店(はせがわくまのじょうしょうてん)」という酒屋さんでは、お米を使っためずらしいジェラートを作っています。その名も「こめへんジェラート」。どうして酒屋さんでジェラートを作っているのでしょうか。しかもお米の。そのへんの理由を社長の長谷川さんに詳しく聞いてきました。

 

 

長谷川熊之丈商店

長谷川 和広 Kazuhiro Hasegawa

1965年新潟市江南区生まれ。東京の大学を卒業後、新潟に戻って新潟酒販株式会社で2年間修業。その後実家の酒店を継ぎ、平成8年に長谷友酒ギャラリー店をオープンする。現在は株式会社長谷友と株式会社クリエイトサービス新潟の代表取締役を兼任。寿司好きで、寿司屋では特に貝類ばかり食べている。

 

日本酒離れがきっかけで生まれた、「こめへん」。

——こちらのお店はいつ頃から続いているんですか?

長谷川さん:酒屋を始めたのは大正元年頃からと聞いてます。その前は「こうもり屋」って呼ばれる、傘とか日用品とかを売っている雑貨屋だったんです。「越乃寒梅」で有名な「石本酒造」とは遠い縁戚関係があったことから、手伝いに行っていた長谷川熊之丈が、自分でも酒屋を始めたんです。

 

——じゃあ、当時から「長谷川熊之丈商店」という屋号のまま営業を続けてるんですね。

長谷川さん:いいえ。「長谷川熊之丈商店」という屋号にしたのは2年前に店舗をリニューアルした時です。創業時の精神に立ち返ろうという思いと、「熊之丈」っていう重々しい立派な響きがいいなと思いまして。あと屋号に「酒」っていう言葉を使いたくなかったんです。「酒」ってつくことでお客様の幅が限られてしまうのを避けたかったんですよね。

 

——お客さんの幅が限られないようにということは、お酒以外の商品も扱っているということですね。

長谷川さん:はい。「こめへん」というブランドを立ち上げて、お米を材料に使ったジェラート、ジャム、プリン、チップス、パンを作ってるんです。

 

——どんな理由があって「こめへん」を始めたんですか?

長谷川さん:我々は酒屋なので、日本酒を売ってますよね? でも日本酒の消費量はどんどん減ってきてるんですよ。食生活が欧米化して、主食は米から小麦に変わっていったし、お酒も米を使った日本酒から麦を使ったビールやウイスキーに変わっていきました。とにかく、お米離れが進む一方なんですね。だから、お米のよさをアピールすることで、日本酒のよさを見直すことにつなげたいと思って、「こめへん」というブランドを作ることにしたんです。

 

お米のピューレが使われている「こめへんジェラート」。

——具体的にどんなふうにお米を使ってるんですか?

長谷川さん:お米を糊みたいな半液状にしたピューレを自社で作っているんです。そのピューレを使っていろんな商品を作っています。最初に作ったのがジェラートだったんですよ。ジェラートやアイスクリームには増粘多糖類っていう、粘りを出す添加物が入っているんです。「こめへんジェラート」はその添加物の代わりにお米のピューレを使って、なめらかで口溶けのいいジェラートになってます。ただ入れ過ぎるとボソボソしてしまうので、配合には試行錯誤しましたね。

 

——なるほど。おすすめの味ってありますか?

長谷川さん:地元江南区の牛乳っていえば「塚田牛乳」さんです。その牛乳を使って作った「塚田ミルク」がジェラート全てのベースになってます。地元でも盛んに栽培されている県産いちごを使った「越後姫」、あと亀田を代表する銘酒「越乃寒梅 灑(さい)」を使った「純米大吟醸」や、地元味噌蔵の塩麹を使った「塩麹レモン」も食べてみてほしいですね。それから夏季限定の「飲むジェラート」は、亀田のソウルフード白アイスとジェラート、炭酸水を一緒に使った冷え冷えのジェラートなので、こちらもぜひ試してみてほしいです。

 

——「こめへんジェラート」はどこで買えるんでしょう?

長谷川さん:店頭とオンラインショップで販売してます。少し前までは「ラト・リーチェ」っていうイタリアンレストランでデザートとして提供してたんですけど、スタッフ不足とかいろんな事情があって現在は休業してるんです。でも形を変えてまた営業する予定ではいます。

 

生ジャム、プリン、パンにチップスまで、広がる「こめへん」商品。

——ジェラート以外にも「こめへん」商品はたくさんあるんですか?

長谷川さん:はい。生ジャムも添加物を使わないで、お米のピューレを代わりにして作っているので、自然な食感を楽しむことができます。越後姫をはじめ、亀田産の素材も多く使ってますよ。プリンも生クリームの代わりにお米のピューレでなめらかさを出しています。

 

 

——へ〜、お米のピューレっていろんなものに使えるんですね。

長谷川さん:そうなんですよ。パンまで作ってるんですよ。

 

——え?パンの原料って小麦じゃないんですか?

長谷川さん:はい。もちろん小麦は使ってます。米粉を使うみたいに100:0にするのではなくて、小麦の中にお米のピューレを加えて作ってるんです。小麦とお米を仲良く使うっていうことですね。その結果、焼いた時に外はさっくり、中はもっちりした食感を出すことができました。

 

 

——パンにまで使っちゃうなんてすごいですね。

長谷川さん:「しろめチ」っていう商品名で、お米を使ったチップスも作ってますよ。お米のピューレって、ジェラートにしてもプリンやパンにしても、引き立て役みたいな存在で前に出て来ることはないんですよ。そんなお米のピューレが前に出て来るダイレクト商品として作ったんです。軽い食感で口溶けのいいチップスになっていて、「白ごま」「黒ごま」「塩」の3種類があります。

 

「こめへん」ブランドの商品をどうやって日本酒につなげていけるか

——今後はどんなふうに「こめへん」ブランドを展開していきたいですか?

長谷川さん:酒屋さんの多くは飲食店への卸業がメインになっていると思いますが、来店型の酒販店も残していきたいと思うんです。お店に来ていただいて、直接品物を見て、説明を聞いて、商品を知ってもらえる場でありたいと思ってます。そのためにも食パンとかのデイリー商品をお店に置いて、頻繁に足を運んでもらえるよう工夫しているんです。今後は「こめへん」ブランドの商品をどうやって日本酒につなげていけるかが課題だと思っています。

 

 

日本人の日本酒離れをなんとかしようと、お米の素晴らしさをアピールするために「こめへん」ブランドを立ち上げた「長谷川熊之丈商店」の長谷川さん。自社で作ったお米のピューレはジェラート、ジャム、プリン、パン、チップスなどいろんな商品に使われています。みなさんも「こめへん」ブランドの商品でお米の美味しさを実感し、日本酒のよさを見直してみてはいかがでしょうか?

 

 

長谷川熊之丈商店

〒950-0122 新潟県新潟市江南区稲葉1-5-4

025-381-0511

10:30-19:00
日曜休

 

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