パリのひとつ星和食割烹が三条ではじめたカフェ「Ai-DA」。
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2022.11.30
今年7月、三条市に「まちやま」という複合施設がオープンしました。「三条市立図書館」をはじめ様々な施設が集まり、市民の交流や憩いの場になっています。そのなかに「bibliotheque cafe Ai-DA(ビブリオテックカフェ アイーダ)」というカフェがあるのですが、こちらのオーナー・相田康次さんは、パリで和食割烹「あい田」を経営し、ミシュランガイドひとつ星店に認定された方なんです。その相田さんが、なぜ三条でカフェをはじめたのでしょうか。今回は店長の川口さんからお話を聞いてきました。


bibliotheque cafe Ai-DA
川口 将司 Masashi Kawaguchi
1981年愛知県生まれ。製菓専門学校で洋菓子を学び、洋菓子店、カフェ、フレンチレストランなどで経験を積む。テレビ番組で知った相田康次さんの存在に衝撃を受け、相田さんがパリで経営する割烹「あい田」で2010年より働きはじめる。2022年7月に三条の図書館等複合施設「まちやま」内でオープンした「bibliotheque cafe Ai-DA」を任される。美術鑑賞が趣味でクロード・モネの絵画が好き。
パリの和食割烹オーナーが経営する、複合施設内のカフェ。
——思っていた以上に大きな施設なので驚きました。とってもお洒落な建物ですね。
川口さん:世界的建築家の隈研吾さんが設計された建物なんです。隈さんは「Ai-DA」オーナーの相田がパリでやっているカウンター割烹「あい田」の常連さんでもあるんですよ。
——へ〜、それもご縁ですね。この「まちやま」ってどんな施設なんですか?
川口さん:「三条市立図書館」をはじめとした複合施設で、「鍛冶ミュージアム」や「科学教育センター」も併設されています。
——そのなかにカフェとして「Ai-DA」も入っているわけですね。オーナーの相田さんはどうして三条でカフェを?
川口さん:三条出身のオーナーは、ふるさとへの恩返しとして何かできることはないかと日頃から考えていました。そんなときにこのお話があったので、三条を活性化するお手伝いになればと引き受けることにしたんです。

——お写真を拝見すると、相田さんってかっこいい方ですね。
川口さん:高校時代、お母さんが東京で経営していたレストランを手伝っていたときにスカウトされて、「笑っていいとも!」の「いいとも青年隊」として活動していたこともあるんです(笑)
——そんな経歴をお持ちだったとは(笑)。タレントだった方がどうしてパリで和食店をはじめることになったんでしょうか。
川口さん:タレント活動は性に合わなかったようで1年で辞めてしまって、料理の道に進んだんです。旅行で訪れたパリに憧れて、フランスへ渡ってレストランで働いた後、2005年にパリでカウンター割烹「あい田」をオープンしました。2008年にはミシュランガイドのひとつ星店に選ばれたんです。
——聞けば聞くほどすごい経歴の方ですね(笑)
川口さん:僕もそんな相田さんのすごさに憧れて、彼の下で働きたいと思ったんです。

テレビ番組で見た相田さんに憧れて、パリへ。
——川口さんは今までどんな仕事をされてきたんですか?
川口さん:お菓子と料理の仕事をしてきました。小さい頃から姉がチーズケーキやクッキーを作ってくれていたので、僕もその手伝いをしていたんです。進路を決めるときはお菓子と料理で迷いましたが、「TVチャンピオン」というバラエティー番組の「ケーキ職人選手権」を見て、職人が作っていた細工菓子を自分でも作ってみたいと思ったので製菓専門学校に進みました。
——なるほど。では専門学校卒業後もお菓子作りを?
川口さん:洋菓子店やカフェ、フレンチレストランでお菓子作りをしていました。フレンチレストランではパティシエの傍ら料理も手伝っていたんです。

——そんな川口さんが相田さんと出会ったのは、どんなことがきっかけだったんでしょうか。
川口さん:「情熱大陸」で紹介されていた相田さんを見たことがきっかけでした。日本ではなく海外で和食店を経営して、しかも評価されているということに衝撃を受けましたね。番組では鉄板焼きがメインのお店のように紹介されていたので、親戚が経営する鉄板焼きのお店で修業させてもらいました。
——川口さんもなかなかの情熱ですよ(笑)
川口さん:その後、相田さんへ手紙と一緒に履歴書を送って、ワーキングビザが下りた2010年からパリの「あい田」で働かせてもらうことになりました。お店では和食とデザートを担当していたんです。
——デザートはお手のものだと思いますけど、和食の修業はしたことがなかったんじゃ……。
川口さん:「あい田」は鉄板焼きのお店だと思い込んでいたのに、がっつり和食の店だったんですよね(笑)。和包丁なんて使ったこともなかったので包丁の使い方から修業させてもらいましたけど、最初はしょっちゅう手を切りました。でも、仕事が終わると近所にある他店のスタッフも一緒になって語り合いながらワインを飲むのが楽しかったです。

フランスの郷土料理やコーヒーに合うお菓子。
——川口さんが三条にある「Ai-DA」を任されることになったのはどうしてですか?
川口さん:パリの「あい田」では私がデザートを担当していたので、お菓子を提供する「Ai-DA」の立ち上げを任されることになったんです。僕も相田さんの「ふるさとのために何かできることをしたい」という思いに共感するところがあったので、引き受けることにしました。
——開放的な雰囲気で入りやすいカフェですよね。
川口さん:施設を利用する人が気軽にふらっと入れるように、フランスのファストフード店のような雰囲気のカフェになっているんです。今までずっと厨房のなかでお菓子を作っていたのに周りから丸見えのオープンキッチンで作ることになって、最初はなかなか落ち着きませんでしたね(笑)。今では接客しながらの調理にもすっかり慣れました。

——メニューについても教えてください。メインの料理はガレットですか?
川口さん:そうなんですよ。ガレットは気軽に食べられるフランスの郷土料理なので、相田さんに提案してみたら採用してもらえたんです。他にもパリのお店で提供していて相田さんのお気に入りだったスノーボールクッキーをご用意しています。最近ではワンコインでお釣りがくるミニカヌレもはじめました。

——どんなことにこだわってお菓子を作っているんでしょうか。
川口さん:お菓子はコーヒーに合うように作っていますので、ぜひ併せて楽しんでいただきたいですね。そのコーヒーにもこだわっていて、相田さん自らコーヒー店にイメージを伝えてオーダーしたものなんです。しっかりした苦味になるよう、深煎りしたコーヒー豆を使っています。

——川口さんはこれから「Ai-DA」をどんなカフェに育てていきたいですか?
川口さん:相田さんの思いを大切にして、三条地域のお役に立てるようなカフェにしていきたいと思っています。そのためにも、これからは地元食材を使ったガレットやお菓子も作っていきたいんです。でもまだ地元にはどんな食材があって、どこにお願いしたらいいのかもわからないので、いい食材があったら教えていただきたいですよね(笑)

bibliotheque cafe Ai-DA ※現・カフェあい田
三条市元町11-6 まちやま内
月曜休(図書館に準ずる)
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