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全国に顧客を持つフラワーデザイナーが店舗をオープン「eternal flower」。

今年の3月、ネット展開をしていた「eternal flower」の店舗が沼垂テラス商店街にオープンしました。「お店を構えるのが夢だった」という橋本さんご夫婦は、造花のブライダルブーケや会場装花を得意とし、長野県の結婚式場で活躍しています。拠点を新潟に設けたことで、より新潟のカップルに近づいたと感じているそう。店舗では造花に加え、ドライフラワーと生花の販売もしていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

eternal flower

橋本 佳尚 Yoshinao Hashimoto

1981年新潟市生まれ。高校卒業後、建築の仕事に就く。2019年からウェディングブーケの製作販売や装花の仕事を本格的にはじめ、2024年に沼垂で店舗を構える。趣味は筋トレと釣り。

 

きっかけは有名企業からの誘い。ずっと残せる造花の強みを引き出す。

——橋本さんは、いつからお花に興味をお持ちだったんですか?

橋本さん:夫婦共通の趣味みたいなもので、20代の頃からフラワーブーケを作っていました。友人が結婚するとなったら、いつもハンドメイドのウェディングブーケをプレゼントしていました。

 

——しばらく建築のお仕事をされていたんですよね。お花を本業にしようと思われたのはどうしてですか?

橋本さん:建築の仕事をしながら、自作のブーケをネット販売していたんです。そしたらあるとき、ブライダルプロデュースを手がけている長野県の会社さんから「ブーケを納品してくれませんか」と声をかけていただきました。長野県内にいくつも提携先がある会社さんからのご依頼だったので、それからはブライダル関係の仕事が増えて、建築の仕事とのやりくりが難しくなって。勤め先の社長さんがすごく理解のある方で「両立すればいい」とお花の仕事を優先させてくれたんですけど、どっちつかずは嫌でしたし、40歳を迎えるまでに次のステップに進みたくて。「人生変えたいな」と思っていたのかもしれません。

 

 

——実績のある会社さんとお取引がはじまったのが大きいんですね。お花の知識は、どうやって習得したんですか?

橋本さん:日本に限らず海外の方の作品をたくさん見て「いいな」と思うものを取り入れました。どなたかに教わるとその流儀だけになっちゃうような気がしたので、オリジナルのやり方でいたかったんです。

 

——でも、お花を長く保たせるノウハウだとかもいりますよね?

橋本さん:実は僕たち、生花ではなく造花のブライダルブーケや装花を得意にしているんです。長野県の式場って、遠方からのゲストも多いじゃないですか。そうするとお花を持って帰れずに処分しちゃう場合もあるみたいなんです。ご依頼くださった会社さんは、SDGsの観点からもなるべくお花を長く大切に残してもらいたいという考えなんですよ。

 

——なるほど。その点、造花は強いですね。

橋本さん:造花を使ってここまでの規模で展開している方はほとんどいないと思います。生花の技術を参考に、夫婦で試行錯誤してきました。生花のアーティストさんで雲の上の存在のような方はたくさんいるし、すごく参考にさせてもらっているんですけど、造花となるとまたちょっと話が別です。取り扱い方もぜんぜん違いますしね。季節関係なくお花を組み合わせられるところも造花の良さですよね。

 

誠実に信頼関係を培い、実績となる。

——ブーケを作る前には、ヒアリングをされるんですか?

橋本さん:どんなブーケを持ちたいかだとか、色味、形、着用するドレス、会場の雰囲気などをお聞きします。より良くなるご提案はしますが、まずはお客さまの「こうしたい」って要望をぜんぶ取り入れます。仮組みをしたものをお見せするので、その上で追加のリクエストをいただくことが多いですかね。

 

——事前にやり取りできるところは、生花との違いですね。

橋本さん:当日になって、「イメージが違う」ってことはないと思いますよ。

 

——印象深いお客さんはいますか?

橋本さん:芸能人からのオーダーです。Instagramでメッセージをいただいたときは驚きました。

 

——苦労したご依頼は?

橋本さん:仮組み段階から完成までなかなか進まなかったときかな。次から次へとリクエストが変わって、けっこう大変だったんですけど、できあがったブーケがすごく好評で「同じものをください」ってご依頼がすごく多かったんです。なので、結果オーライでした(笑)

 

——イメージを共有する難しさがあるんでしょうね。

橋本さん:今年の春、店舗を構えてからは実物を見ていただけるようになりましたし、実際にお会いしてヒアリングができるのはすごくいいなって感じています。

 

 

——これまでは、ほぼネット経由での依頼だったんですか?

橋本さん:9割くらいはInstagram経由でしたね。お客さまは全国にいらっしゃいます。たぶん、お花を届けていない都道府県はないですね。全国制覇しました(笑)

 

——会場装花のお話も聞きたいです。

橋本さん:先ほどお話しした長野県の会社さんが提携している会場を任せてもらっています。トータルプロデュースをすることが多くて、ブーケや式場全体の装花はもちろん、お花以外の会場の飾り付けまで担当しています。

 

——空間全体を作っていらっしゃるんですね。

橋本さん:打ち合わせからお付き合いがはじまって、今でもすごく仲良くさせてもらっているご夫婦もいます。つながりを大事にしてきたので、ここまで来られたのかもしれません。「信頼してもらえるお花屋さんでいたい」っていう気持ちでいるんです。

 

夢だった店舗がオープン。新潟のカップルに最先端のノウハウを。

——ネットで評判を得ていたと思いますが、この度、実店舗を構えられた経緯を教えてください。

橋本さん:お店を構えるのが夢だったんです。オープンする1年ほど前まで、建築の仕事を続けていたんですけど、腹を括って「eternal flower」に専念したいという思いもありました。

 

 

——こちらはどんなお店ですか?

橋本さん:造花、ドライフラワー、生花の3つをご用意しています。Instagramのフォロワーさんや新潟の花嫁さんが、「『eternal flower』がいよいよ店舗を出したんだ」と来てくださいます。やっぱり写真でお見せするのと、実際に見ていただくのとではぜんぜん違いますね。色の違いや細部のデザイン、質感までお伝えできますから。

 

——新潟のお客さんは、より利用しやすくなったでしょうね。

橋本さん:「地域密着」と言うと大げさかもしれませんけど、もっと新潟の皆さんにご利用いただきたいなって思いがあります。今は長野県の式場からのご依頼が多いですが、いずれは新潟の結婚式場でも仕事をさせてもらいたいと思っています。長野県は軽井沢や白馬といったリゾート地がいくつもあるので、全国からウェディングのノウハウが集まっているんですよね。僕たちは、そんな最先端の場所で会場装花をしてきました。そこで培ってきたものを新潟でも発揮できたらいいなと思っています。新潟の結婚式場であれば造花じゃなくても、ドライフラワー、生花から好きなように選んでいただけますよ。

 

 

 

eternal flower

住所/新潟市中央区沼垂東3-5-24

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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