「スープとランチのお店 アミチエ」の身体も、心も温まるごはん。
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2025.03.12
JR矢代田駅から歩いてすぐのところにある「スープとランチのお店 アミチエ」。このお店のオーナーである星野さんはとても物腰が柔らかくて、お話をしているだけで癒やされます。そんな星野さんがつくるごはんも優しい味わいで、しかもすべてのメニューに小麦を使っていないんだとか。お店を開いたきっかけやごはんのこだわり、星野さんのお店に対する思いなど、いろいろ聞いてきました。

スープとランチのお店 アミチエ
星野 凜 Rin Hoshino
1995年三条市出身。新潟大学教育学部を卒業後、特別支援学校の教師として働く。2024年12月に「スープとランチのお店 アミチエ」をオープン。趣味は読書で、お気に入りの一冊は瀬尾まいこの『温室デイズ』。
子どもたちの選択肢を、もっと広げたい。
――今日はよろしくお願いします。柱がとても立派な古民家ですね。
星野さん:空き家として販売されていたときから、とても状態が良かったんですよ。お店にするために、床と厨房を変えたぐらいですね。店内の机や椅子は、私が集めてきたヴィンテージの家具なんです。古いものが好きで、ここに置いてあるものは全部気に入っています。

――星野さんは学校の先生をされていたんですね。
星野さん:大学を卒業してから、特別支援学校の教師として6年間働いていました。教員時代に感じていたことがきっかけで、このお店を作ろうと思ったんです。
――それはどんな思いだったのでしょうか。
星野さん:特別支援学校を卒業した子の就業先の選択肢が、とても狭いと感じていたんです。学校にいる間にできるようになることが増えているから、就業先がもっと幅広くなればいいなって。
――現場にいるからこその思いですね。
星野さん:社会の捉え方が変われば実現できると思うんですけど、それを待っているよりは自分ではじめよう、って思ってこの場所をつくったんです。

――「スープとランチのお店」にしたのはどうしてなのでしょうか。
星野さん:野菜スープをつくるのが好きだったんです。あったかくて、野菜をたくさん摂ることができるのがすごくいいなって。それで、お店を出すときには自家製のブイヨンを使って野菜スープを出そうと決めました。

余計なものは入れない、星野さんのこだわり。
――自家製のブイヨンにしたきっかけはどんなものだったのでしょう。
星野さん:野菜スープをつくっていたとき、コンソメを入れる前に味見をしたことがあったんです。コンソメが入っていなくても、野菜の甘みと旨みがぎゅっとつまっていて、とても美味しかったのをよく覚えています。
――普通だったらそのままコンソメを入れるところで、発見があったんですね。
星野さん:そこからコンソメを入れなくても美味しいスープを試作して、今の野菜スープが出来上がりました。余計なものが入っていない、野菜をまるごと食べているようなスープになっています。

――「沁みる」という言葉がぴったりなスープです。
星野さん:調味料をなるべく使いたくなくて、今でも味つけの前に味見をしているんです。ちなみに使っている野菜は、ほとんど秋葉区産のものを使っています。
――スープを含め、ここで食べられる料理はすべて小麦が使われていないと聞きました。
星野さん:そうなんです。私自身が小麦を摂ると身体の調子が悪くなってしまって。小麦粉が食べれないとなると、外食に困るんですよね。私と同じような人でも安心して食べてもらえるように、「アミチエ」の料理は調味料を含め、小麦を使っていないんです。
――小麦を使わずにつくるのが大変なものもあったのではないでしょうか……。
星野さん:ハンバーグをつくるとき、パン粉を使わずに米粉を使って作ることにしたんです。でも、米粉を使ったハンバーグはどこを調べても理想のものが見つからなくて……。お店の準備をしていた間は、何度も試作をしていましたね。

――スープもハンバーグも、ここでは一度に楽しむことができるんですね。
星野さん:副菜とスープ、メインのおかず、デザートをセットでお出ししています。スープは2種類の中からお選びいただいていて、今日は「自家製ブイヨンの野菜スープ」と「焦がしねぎの豆乳ポタージュ」をご用意しています。
――料理をする中で星野さんがこだわっていることを教えてください。
星野さん:食べ進めていて、負担のない料理ですね。なるべく素材の味を活かしたいので、調味料も余分に入れないようにしています。

みんな一緒が、「当たり前」に。
――「アミチエ」にはどんな思いが込められているんでしょうか。
星野さん:フランス語で「友達」や「友情」っていう意味なんです。ここではどんな人でも、ごはんを食べることができて、働くことができる場所にしたいという思いが込められています。
――障がいをもっている方でも、ということですね。
星野さん: 障がいのある人もない人も一緒だって、頭では理解できてると思うけど、お互いが実際に関わったときに、友情があればどんな人でも同じって当たり前に思うことができると思うんです。

──星野さんがお店をやっていく中でどんなことを心がけているのでしょうか。
星野さん:当たり前なんですけど、とにかく美味しい料理をつくって、店内を綺麗に保つことですね。素敵なお店と思って来てくれて、そのお店に障がいのある人も当たり前に働いていて、みんな同じなんだなって実感してもらえるような場所を作っていきたいんです。
──まさに「友情」が体現される場所ですね。今後の目標を教えてください。
星野さん:今後障がいのある方を雇用できるような基盤づくりをしていきたいですね。教員時代に関わった子たちと一緒に働くのが夢なんです。あとは、このお店の2階部分はまだ手を付けられないんですけど、そこも整えて作家さんの個展を開いたり、こども食堂もしたりしてみたいです。

現在は月曜日のみの営業ですが、4月からは週末も営業予定なんだとか。季節の野菜を楽しめるスープはお腹だけではなく心も温まるような優しい一杯。そんなお料理に使われる野菜の中には、星野さんが栽培したものも今夏から使われる予定だそうです。矢代田へお越しの際は、ぜひ足を運んでみてください。
スープとランチのお店 アミチエ
新潟市秋葉区矢代田1966-9
050-8881-4952
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