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夫婦で営む燕の古着屋「FRUiT used & vintage clothing」

  • カルチャー | 2022.02.18

古着の全国的な人気上昇にともない、新潟県内にも今、次々と古着屋が誕生しています。燕市の宮町商店街にも、昨年9月、ひと際目立つ青色の古着屋「FRUiT used & vintage clothing」がオープンしました。夫婦でお店を営んでいるこちらのお店では、どんな古着を扱っているのでしょうか。お店を開くまでの経緯や、そのきっかけなどをいろいろと伺ってきました。

 

 

FRUiT used & vintage clothing

板津 裕也 Yuya Itatsu

1992年生まれ。高校生のとき古着にハマって以来、古着を買い漁る日々を過ごす。大学卒業後、西区にある古着屋「BANANAS」のオーナーとの出会いがきっかけとなり自分の店を開くことを決意。広告会社のサラリーマンとして7年間働いたのち、2021年に燕市で「FRUiT used & vitage clothing」をスタート。店名は「果物のように、みんなから愛される存在でありたい」との願いがこめられている。好きな果物はパイナップル。

 

FRUiT used & vintage clothing

板津 萌 Moe Itatsu

1991年生まれ。埼玉にある短期大学卒業後、印刷会社へ就職。2019年に裕也さんと結婚し、現在は一児のママ。好きな果物はシャインマスカット、いちご、ル・レクチェ。

 

同じものがない、それこそが古着の魅力。

――それではまず、裕也さんが古着に興味を持ったきっかけを教えてください。

裕也さん:僕、高校までずっとサッカーをしていたんですけど、持っている服のほとんどがジャージだったんですよね。それであるとき、お洒落な友達にどこで服を買っているのか聞いて、古着屋を教えてもらって。それがきっかけで古着を着るようになりました。

 

――古着にハマったのはどうして?

裕也さん:理由は特になかったんですけど、それ以来、とにかく「着るなら古着じゃなきゃダメだ」というスタンスになってしまって。大学で東北へ行ってからも、毎日のように古着を買っていました。

 

 

――古着のどんなところに惹かれたんですか?

裕也さん:やっぱり、同じものがないところですね。似たアイテムでも汚れがあるものもあれば、リペアされているものもあります。それを見ながら「これっていつ、どんなふうにしてついた汚れなんだろう」って妄想するのが楽しいんですよね。つい最近、店に来てくれたお客さんの中には、コートの裾の縫い目から年代を予想している人もいました。そういう人と出会えるのも古着の魅力なのかなと思います。

 

開店のきっかけは「BANANAS」への憧れ。

――昨年の9月にお店を開かれたわけですが、どうして古着屋を始めようと思ったんですか?

裕也さん:古着が好きというのはもちろんなんですけど、一番の理由は西区にある「BANANAS」という古着屋のオーナーに憧れて、「自分もあんなふうに接客をして、古着の魅力を伝えたい」と思ったからですね。

 

――「BANANAS」は以前Thingsでも取材をさせてもらいました。オーナーは馬場さんですよね。どんなところに影響を受けたんでしょうか?

裕也さん:馬場さんは、僕に本気で古着の魅力を伝えてくれた人なんです。それまで出会ってきた古着屋の方たちは、歴史とか、年代とかについてあまり教えてくれなくて、いつも自分でなんとなく解釈して着ていました。でも、馬場さんはそうじゃなかったんです。初めて買ったLevi’sのビックEについてイチから丁寧に教えてくれたし、古着を着るカッコよさについても熱く語ってくれました。そのおかげで洋服の背景や歴史について知ることができて、もっと古着が好きになれたんですよね。

 

 

――なるほど。古着への考え方を大きく変えてくれたんですね。

裕也さん:僕だけじゃなく、あの店に通っている人たちは皆きっとそうだと思います。そんなふうに人に影響を与えられる馬場さんや、古着好きが集まる「BANANAS」を見て、「自分もこんな場所が作りたい」と思いました。

 

古着のコミュニティがなくても、自分たちならできると信じて。

――燕市でお店を開かれたのはどうしてでしょうか?

裕也さん: 結婚して、妻の実家がある燕市で住むことになったということもあります。最初は古町のように古着屋のコミュニティがあるところではじめることも考えたんですけど、それよりもまだ古着文化が浸透していないこの商店街で店を構えて、もっと街を活気づかせたいと思ったからです。

 

 

――不安とかはなかったんですか?

萌さん:店をやろうと決めたときには、夫婦そろってテンションも上がっていたので、あまり後ろ向きなことは考えず「とにかく突き進んでいこう」って感じでしたね(笑)。それに、商店街の人に「なにかあったら、いつでも声をかけてくれ」って言ってもらえたのもすごく励みになりました。

 

裕也さん:「BANANAS」も西区の孤立した場所から徐々に輪を広げていって、人から愛される店になった、ということを知っていましたし、「古着が本気で好きな自分達ならきっとやれる」と思ったんですよね。今はSNSもありますし、自分たちがこだわりを持ち続けていれば、自然と人も来てくれるようになるだろうって。

 

――ちなみにお店を開くとき、馬場さんには報告されたんですか?

裕也さん:もちろんしました。でも遅くなって、店を開く直前になってしまったんですよ。そしたら「おまえ早く言えよ!」って叱られちゃいました(笑)

 

服だけじゃなく、空間にも歴史を。

――「FRUiT」の内装や外装はDIYで作ったとお聞きしました。

裕也さん:もともとここにはハンコ屋さんがあったんですけど、老朽化して作り直さなきゃいけないという状況でした。でも僕は大工の経験とかなにもなかったので、YouTubeに載っていた動画を参考にしながらふたりでなんとか作業しました。

 

萌さん:作業していたのが夏だったんですけど、クーラーがまだ付いていなかったので本当に暑かったです(笑)

 

 

――外装の青がとても印象的です。

裕也さん:ハンコ屋さんだったときの屋根が青色だったので、それをいかした外装にしたかったんです。店内にある棚も、以前お店で使われていたものをいただきました。古着屋をやる上で、服だけじゃなく、空間から歴史や物語があるような店にしたくてこだわりました。

 

古着初心者の人にも、古着の魅力を伝えていきたい。

――それでは、お店についても詳しく教えてください。「FRUiT」はどんな古着屋さんですか?

裕也さん:うちの店では若いうちだけじゃなく、30代になっても着られるような「ちょっと大人っぽい古着」をセレクトしています。

 

――大人っぽいというと、例えばどんなものがありますか?

裕也さん:基本的にはアメカジのアイテムを多く入れていて、アメリカ軍のM65やファティーグパンツ、USのLevi’sもあります。あと、僕がユーロ系のアイテムが好きなこともあって、ユーロのワークジャケットやミリタリーパンツなんかも置いてあります。

 

――アメカジの定番のものからヨーロッパのアイテムまで幅広く取り扱っているんですね。お店として特に押しているアイテムはありますか?

裕也さん:ミリタリーのアイテムはおすすめですね。見た目がカッコいいのもそうなんですけど、実際に戦闘で使われていたものなので機能性や面白いディティールがとにかく詰まっているんです。まだアイテム数は多くはないので、これからもっと増やしていくつもりです。

 

 

――いまの時代には見られない部分があるのも古着ならではの魅力ですよね。でも、古着初心者にはちょっとハードルが高いんじゃ……。

裕也さん:「大人っぽい古着」とは言いましたが、そこのバランスも考えて服をチョイスしています。古着を着はじめの頃って、いざ店に入ってみても何を手に取ったらいいのか分からないと思うんですよね。だから店員にも話しかけづらくて、結局たいして何も見ず帰ってしまう。僕はそれをなくしたくて……。だから、まず聞いてみて欲しいんです。そうしていただければ、こちらもお客さんの希望をかなえられるように全力で提案をさせてもらいます。そのとき買っていただけなくても、少しずつお付き合いがはじめられるきっかけ作りとして、気軽に話しかけてほしいです。

 

――これからは板津さんも「古着の魅力」を伝えていく立場ですもんね。応援しています!

 

 

FRUiT used & vintage clothing

新潟県燕市宮町 6-40-1

営業時間 11:00-19:00(平日18:00

不定休

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