寄り添いながら書く楽しさを伝える
「中沢嶺花書道教室」
その他
2026.05.26
子どもの頃、書道教室へ通っていた方も多いのではないでしょうか。大人になってからはじめた方もいるかもしれません。書道は、綺麗な文字が書けるようになるだけではなく、姿勢が良くなったり集中力や礼儀作法が身についたりする人気の習い事です。新潟市江南区にある「中沢嶺花(なかざわれいか)書道教室」では、文字を書く楽しさを教えることを大切にしています。
中沢 嶺花
Reika Nakazawa(中沢嶺花書道教室)
1986年五泉市生まれ。東京の短大で書道を学び、2016年に新潟へ戻ってから「中沢嶺花書道教室」を開業。油揚げや米菓のパッケージ、日本酒ラベルの文字も担当している。辛口の日本酒が好き。
母親と大学の先生が褒めてくれて、
書道の楽しさを知ることができた。
――中沢さんの書道歴って長いんですか?
中沢さん:小学校に上がる前から学びはじめました。お友達が習っていたのと、母の勧めではじめることになったんです。母が言うには「字が綺麗だと賢く見える」とのことでした(笑)
――書道を習っている子どもは多いですけど、だいたい途中でやめちゃうじゃないですか。小学校に入る前からずっと続けてきたのはすごいですね。
中沢さん:字を書くことは好きだったんですけど、上手ではなかったんです。でも、母がとにかく褒めてくれたので、それが嬉しくて頑張ることができましたし、書道もどんどん好きになっていきました。小学3年生の頃には、将来、書道の先生になることが夢になっていましたね。
――途中で他のことに興味を持ったりしなかったんですか?
中沢さん:書道の他にもバスケット部や水泳教室、体操クラブに入っていたので、毎日習い事をやっていました(笑)。でも中学生になったら両立が難しくなると思ったので、バスケットをあきらめて書道を選んだんです。
――ずいぶん忙しい小学生時代だったんですね。その後は書道一筋だったんでしょうか?
中沢さん:はい、東京の短大に進学してそこで書道を学びました。そのときに出会った書道家の先生は、素敵な字を書かれるのはもちろん、とにかく褒めながら教えてくれるんです。先生からはその後の人生でも大きな影響を受けることになりました。
――褒めてくれるところはお母さんと似ていますね。短大を卒業してからはどんなお仕事を?
中沢さん:一般企業に就職しました。入社してしばらくは仕事を覚えることに必死で、書道をやる時間もありませんでしたけど、字が書きたくて書きたくて仕方がありませんでした。泣きながら大学の恩師に電話をしたら「おいで」って言ってくれたので、毎週先生の元に通わせていただいてましたね。
――書道教室を開いたのは、新潟に帰ってきてからなんでしょうか?
中沢さん:結婚を機に新潟へ帰ることになって、そのとき先生から新潟で教室を開くことを勧めていただいたんです。それでまずは知り合いの子たちに書道を教えはじめたんです。おかげさまで、今では子どもだけじゃなく大人も通ってくれています。

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書くときの姿勢や筆の持ち方など
いいところを見つけて褒めてあげる。
――ご自宅で教室をやられているんですね。
中沢さん:この「江南区教室」の他にも、土曜の午前中だけ「五泉教室」で教えています。あちこちでワークショップを開くこともありますね。
――書道を教えるときに心掛けていることがあったら教えてください。
中沢さん:私が母や先生からしてもらったように、いいところを見つけて褒めてあげるようにしています。
――例えば、どんなふうに?
中沢さん:字が上手に書けているときはもちろん、「姿勢がいいね」「丁寧に書けているね」「鉛筆の持ち方が上手だね」「お手本をよく見ているね」という具合に、褒めるところはたくさんあるんですよ。字を書くことが苦手な子でも「まっすぐに書けたね」「太く書くことができたね」と褒めています。褒めるところがない子なんていないんです。
――褒められると自信につながりますもんね。
中沢さん:そうなんです。だからといって、嘘をついてまで無理に褒めることはしていません。嘘をつくと子どもにはバレちゃいますから。大人も同じように褒めるんですけど「大人になってから褒められる機会がないから嬉しい」と言って喜んでくださいます。
――安心してのびのび書くことができそうですね。
中沢さん:私は「上手に書いて」とは言わないんです。「上手」の基準は人それぞれで違うって曖昧ですから、「大きく書いて」とか「太く書いて」とか具体的な言葉で伝えるようにしています。「上手」という言葉でプレッシャーを与えることも避けたいので、自信をつけてあげることで、書くことを楽しいと感じてほしいし好きになってほしいんですよ。

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少人数制にして守っているのは、
子どもや親とのコミュニケーション。
――子どもを教えるのって難しいんじゃないですか?
中沢さん:そう感じることもあります。連休明けの集中力がないときは、思いきって文字しりとりをはじめちゃうんです。字を書きながらしりとりをするんですけど、普段書かない字を書くせいか、いつもより丁寧に書いてくれるんですよ(笑)。それによってその子が苦手な部分に気づくこともあります。
――遊びも学びにつながるんですね。他にも気をつけていることがあったら教えてください。
中沢さん:顔や心が見える範囲で教えるようにしているので、一度に教える人数は6〜7人に制限しています。
――コミュニケーションを大切にしていることがわかります。
中沢さん:子ども達はもちろんですけど、親御さんとのコミュニケーションもきちんと取るように心掛けています。教室で子どもがどんな様子だったかを伝えて、私からご家庭での様子も聞くようにしているんです。書道が子どもの生活にいい影響を与えてくれたら嬉しいですね。
――字が上手く書けるようになるだけじゃないんですね。
中沢さん:落ち着きが出たり、姿勢が良くなったりしますね。子どもの成長ってすごいんですよ。教えたことはちゃんと覚えていてくれるし、次回はちゃんと直してくれるんです。
――ワークショップも開催しているんですよね。
中沢さん:江南区の「アークオアシス」さんや西区の「ハッピーマル」さんで、体験レッスンを開催しています。書道教室以外でも、字を書く楽しさを広めていきたいんですよ。お母さんに連れてこられた元気のなかった子が、レッスンの終わる頃には「楽しかった」と笑顔を見せてくれたのが嬉しかったですね。
――それは嬉しかったでしょうね。
中沢さん:「書道」と聞くと堅苦しいイメージを持つ方もいると思いますが、字を書くことを楽しんでもらえたら嬉しいですね。そのきっかけとして、気軽に体験レッスンへ遊びに来てほしいです。

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込められた思いを筆に乗せて
パッケージやラベルの商品名を書く。
――書道教室の先生だけではなく、書道家としても活動されています。
中沢さん:最近は忙しくてなかなか参加できなかったんですけど、これからは積極的に展覧会への出展をしていきたいと思っています。
――書道がお仕事につながることなんかも、あるんでしょうか?
中沢さん:商品のパッケージやラベルに使う文字を書かせていただきました。
――ちなみに、どんな商品に使われているんですか?
中沢さん:五泉の豆腐店で販売している油揚げのパッケージに使う文字を、6年くらい前に書かせていただいたのが最初です。その後はおせんべいのパッケージや日本酒のラベルに使われている商品名も書いています。自分の書いた字が商品の顔になるのは嬉しいですね。
――依頼された文字を書く際には、どんなことに気をつけているんでしょうか?
中沢さん:どんな思いでつくられたのかをお聞きして、その思いを筆に乗せて表現するように心掛けています。何通りか書いた中から選んでいただくんですけど、私も納得したものを提供したいし、依頼先にも納得したものを使っていただきたいですね。赤ちゃんが生まれたときの命名書でも同じ気持ちで取り組んでいます。
――「命名書」っていうのは、生まれた赤ちゃんの生年月日や名前を書いて、お披露目するときに使うものですよね。
中沢さん:そうです。その場合もお子さんの名前がどんな思いでつけられたのか、イメージしながら書くようにしています。
――いろいろなお仕事を引き受けていらっしゃるんですね。
中沢さん:文字を書くことが大好きなんですよ。日本酒の名入れラベルも引き受けています。これから父の日を迎えるにあたって、忙しい時期を迎えるんです(笑)


中沢嶺花書道教室
080-1133-2141
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