「ナカムラコーヒーロースターs」が大切にする、コーヒーと人との橋渡し役。
カフェ
2020.12.09
良いコトも、悪いコトも。知ってもらいたいコーヒーの話。
長岡市与板町にある「ナカムラコーヒーロースターs」。こちらのお店は自家焙煎のコーヒー豆が買えたり、店内でコーヒーを飲めたりする、町のコーヒー屋さんです。今回は店主の中村さんに、「ナカムラコーヒーロースターs」をはじめるまでのことや、たくさんの人に伝えたいコーヒーのことなど、いろんなお話を聞いてきました。

ナカムラコーヒーロースターs
中村 一輝 Kazuteru Nakamura
1981年三条市生まれ。軽井沢に本店を構える「丸山珈琲」で修業。2014年に「ナカムラコーヒーロースターs」を開業。陽気で軽快な味わいのドミニカ共和国のコーヒーが好き。
最初は趣味で自家焙煎珈琲店を巡る日々。
――さっそくですが、中村さんはいつ頃からコーヒーに興味を持ちはじめたんですか?
中村さん:大学時代からです。たまたまドリッパーとサーバーが大学の友人の部屋に転がっていて、「コーヒーでも淹れてみようか」という話になりました。駅前のスーパーでコーヒー豆を買って淹れてみたら……それが美味しくて。それからは自分でコーヒーを淹れて飲むようになりましたね。毎日欠かしたことはありません。
――それまでは、コーヒーを飲む習慣はなかったんですか?
中村さん:なかったわけじゃないけど、どちらかといえばコーヒー牛乳をよく飲んでいましたね。500mlのでっかいやつ(笑)

――それからはじゃあ、カフェ巡りなんかも。
中村さん:カフェじゃなくて、焙煎機が置いてある自家焙煎珈琲店を巡っていました。その頃住んでいた東京や神奈川のお店や、たまに地方にも行ってみたり……どんどんのめり込んでしまい、手網と生豆を買ってアパートで焙煎していました。あくまで趣味として。
――あくまで趣味ということは、この時点で「コーヒーに関わる仕事をしたい」という思いはなかったと?
中村さん:そうですね。だから大学を卒業してからは、コーヒー業界とかけ離れた別の仕事をしていました。でも、あるときに「本当はコーヒーの仕事をしたいんじゃないのかな?焙煎人を目指してみようかな?」と思うようになったんです。

焙煎人としての第一歩。「丸山珈琲」での修行
――いろいろ悩んでコーヒーの道を進むことにした、と。
中村さん:そうなんです。それで、当時の日課だった自家焙煎珈琲店のウェブサイトをチェックしていたら、「焙煎人募集」の文言が目に入ってきて。すぐに、その求人を出していた軽井沢にある「丸山珈琲」に連絡をして、面接をしてもらって、晴れて焙煎人の道をスタートすることになったんです。
――「丸山珈琲」って有名ですよね。倍率がかなり高いのでは……?
中村さん:それが、タイミングが良かったみたいで。前後の求人ではたくさんの応募があったけど、自分が受けた時はとにかく人手不足だったようで幸運でした。でも、採用不採用の連絡が期日を過ぎても来なくて、こちらからメールしても返事が無くて、それから1ヶ月以上経った後に丸山社長からメールがきて、「買い付けでホンジュラスの奥地に居たからネット環境が無くて…遅くなってごめんなさいね…すぐに軽井沢に来れる?」と、急いで引っ越しの準備をしました。

――「丸山珈琲」では、どのくらいの期間、働いていたんですか?
中村さん:7~8年です。朝から晩まで、寝ても覚めても焙煎とカッピングの毎日です。夢の中でも焙煎してました。その後独立を決意して、2014年にこの場所で「ナカムラコーヒーロースターs」を開業して、今年で6年が経ちました。
――「ナカムラコーヒーロースターs」についても教えてください。焙煎のこだわりはありますか?
中村さん:スペシャルティーコーヒーは豆ごとに様々な風味特性を持っているので、そのポテンシャルを引き出せるような焙煎を心がけています。焙煎人がコーヒーの味わいをつくるとは考えていなくて、つくったのは産地の土、水、太陽、風、そして生産者の努力です。焙煎する前の生豆の時点で私の眼には既に完成形として映っていて、焙煎人はほんの少し手を添える感覚です。

コーヒーのあれこれを。いろんなコトを伝えたい。
――スペシャルティーコーヒーの産地の話などもお店では聞けるんですか?
中村さん:そうですね。最低でも年に1回はコーヒー豆の買い付けを兼ねて、各国の産地へ足を運ぶようにしています。そこで見たり、聞いたりしたコーヒーにまつわる話を、良いコトも、悪いコトもお客様に知って頂きたくてお話ししています。しばらくは新型コロナウィルスの影響で行けそうにありませんが。
――良いコトも、悪いコトも? 例えばどんな話がありますか?
中村さん:例えば、ニューヨーク先物市場で価格が決まるコーヒーは味わい以外の規格でランク付けされ、そのランクごとの需要と供給により相場価格が決まります。しかし、スペシャルティーコーヒーは品質によって価格が決まります。どんな味わいなのかが正当に評価され、そして価格に反映されます。 良いものをつくれば高く評価され高値で取引される。生産者にはしっかりと利益が還元されるようになります。この結果、生産者の生活は安定し、消費国ではより美味しいコーヒーが飲めるようになります。良い循環ですよね。

――なるほど。ちなみに、悪いコトというのは……?
中村さん:それぞれの国や農園が抱えている色々な問題ですね。生産者が強盗に襲われたり、日本でもよくあるお家騒動があったりだとか、生産者それぞれに苦労とか、困難な状況があって。私たちの話を聞きながら涙ぐむお客様もいて、「大切に味わいますね」と言ってコーヒー豆を買ってくださる。良いコトだけを伝えるんじゃなくて、悪いコトも生産地の実態としてコーヒーを楽しむ人たちにしっかりと伝えること。それが自分たちの役割だと考えています。
――何気なく飲んでいる一杯のコーヒーでも、深みが増しそうですね。それでは最後に、中村さんがこれからやってみたいことはありますか?
中村さん:先程お話しした良い循環が今後も持続可能であるために、少しでも役に立ちたいと思っています。そして、つくり手、飲み手、その間にいる人々、コーヒーに関わる全ての人々が幸せを感じられる世界をつくりたいです。なので、これからも本当のコーヒーの話をしっかりと伝え続けていきながら、そんな話を聞いてくれるお客様をこれからも増やしていきたいと思っています。

ナカムラコーヒーロースターs
050-1515-5055
新潟県長岡市与板町与板520
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