Things

ブルーベリー狩りを楽しめる胎内市の「カンガスブルーベリーファーム」。

胎内市の中村浜にそびえ立つ巨大な親鸞像、皆さんも一度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか。その足元には「カンガスブルーベリーファーム」という名前の広大なブルーベリー農園が広がっていて、今年も6月22日からブルーベリー狩りの営業をはじめています。建設会社の社長でもあるオーナーの浮須さんを訪ねて、どんな農園なのかお話を聞いてきました。

 

 

興栄建設株式会社

浮須 功 Isao Ukisu

1946年新潟市西蒲区(旧岩室村)生まれ。明治大学卒業後、地元の建設会社に入社。1973年に独立して胎内市で「興栄(こうえい)建設株式会社」を起業。2008年に「カンガスブルーベリーファーム」をオープン。山登りや園芸が趣味。

 

ブルーベリー農園のオーナーは建設会社の社長。

——はじめてお邪魔しましたけど、思っていた以上に広い敷地なんですね。

浮須さん:24品種、6,000本のブルーベリーを育てています。最初は趣味程度にやっていたんだけど、お客さんが増えるにつれて広げていったんです。せっかく来てくれたのに、実がなかったなんていうと申し訳ないからね。

 

——浮須さんは建設会社を経営しているんですよね。

浮須さん:私は大学を卒業してから地元の建設会社に入社したんですが、1967年に起こった羽越水害の復旧工事で胎内市に来たんです。5年後に工事も終わって引き上げることになったんですけど、しばらく暮らしていた胎内市に愛着も湧いていたので、そのまま残って建設会社を起業することにしたんですよ。

 

 

——それ以来、50年以上胎内市で建設業に携わってきたんですね。どんな仕事を請け負っているんでしょうか?

浮須さん:新潟県や胎内市からの依頼で、川や橋の土木工事、田んぼの整地を請け負うことが多いですね。

 

——ブルーベリーの栽培をはじめたのは、どうしてなんですか?

浮須さん:胎内市でぶどう農園をやっている方に勧められたんです。私はもともと自然が好きで草花を育てたりしていたので、ブルーベリーの栽培にも興味を持ったんですよ。それで2008年に「カンガスブルーベリーファーム」をオープンしました。

 

美味しいブルーベリーを栽培するための、苦労や工夫。

——ここって以前はチューリップ畑でしたよね?

浮須さん:山側よりも水が引きやすいし、海も近くて海水浴のついでに寄ってもらえると思ったので、この土地を譲ってもらってブルーベリー農園をはじめました。

 

——いきなりブルーベリーの栽培をして、上手くいくものなんですか?

浮須さん:最初の2年間はまったく実がつかなかったんですよ。

 

——それはどうして?

浮須さん:ここは海が近いから、冬になると潮風が吹きつけて木が枯れてしまうんです。だから冬がはじまる前に1本1本袋を被せるようにしたところ、3年目からようやく実がつくようになりました。この袋を被せる作業が1年のうちでいちばん大変なんですよ。

 

 

——他にも栽培する上で大変なことってあるんですか?

浮須さん:あとはそんなに手がかからないんです。散水してやって、敷いているウッドチップを補充するくらいだからね。

 

——確かにウッドチップが敷いてありますけど、何か効果があるんですか?

浮須さん:ウッドチップが朽ちると腐葉土のようになるんですよ。そうすると、根をしっかり張ることができるし水分や養分の吸収もいいので、ブルーベリーの木が元気に育って、美味しい大粒の実がなるんです。

 

——そういうことなんですね。……あれっ、カブトムシがいるじゃないですか!

浮須さん:そうなんですよ。毎年敷き詰めたウッドチップのなかに卵を産むので、カブトムシがたくさん採れるんです。お子さんにはとっても喜んでもらえますね。

 

観光農園で、胎内市を盛り上げる手伝いをしたい。

——ブルーベリー狩り以外に、直売もしているんですね。

浮須さん:ブルーベリー狩りはせずに購入だけしたいっていうお客さんもいるから、パック詰めしたものを販売しているんです。

 

——ジャムやハチミツまで売っているんですか。

浮須さん:養蜂業をやっている兄の影響で、私も養蜂をやってハチミツを採っているんですよ。この辺ではアカシアやブルーベリーのハチミツが採れるんです。

 

——へぇ〜。ハチミツやジャムは、この直売所でしか売っていないんですか?

浮須さん:「ピアBandai」さんや産直市場で売っています。あと新潟市にオープンした「Bit Dolce & Gift(ビット・ドルチェ・アンド・ギフト)」さんをはじめ、胎内市の「美月堂(みげつどう)」さんや「PAIN de COPAIN(パン・デ・コパン)」さんの商品にも当園のブルーベリーを使っていただいているんです。

 

 

——いろんなところで、こちらのブルーベリーが食べられるんですね。それにしても、平日なのにお客さんがたくさん来ていますね。

浮須さん:ブルーベリー農園は数が少ないからね。はじめたばかりの頃も珍しかったから、新潟のローカルテレビ局が取材に来たんですよ。そのおかげで多くの人に知ってもらえたので、お客さんが一気に増えたんです。うちは急な取材にも対応するから、取材先に困るとテレビ局から連絡が来るんですよ(笑)

 

——取材する側からすれば、ありがたいです(笑)

浮須さん:おかげさまで、地元以外からもたくさんのお客さんに足を運んでいただいています。観光農園として少しでも胎内市を盛り上げるお手伝いができればいいですね。

 

——ちなみに、毎年いつ頃まで営業しているんですか?

浮須さん:今年は6月22日にオープンしたんだけど、7月末まで営業する予定です。ただ7月20日を過ぎると実が小さくなってしまうから、オススメはそれまでの間かな。さくらんぼ狩りが終わってぶどう狩りがはじまるまでの間が旬のシーズンだから、ぜひ遊びに来てください。

 

——これからも美味しいブルーベリーを皆さんに届けてください。

浮須さん:趣味の延長ではじめた農園だから、気楽に楽しみながら続けていきたいと思っています。仕事を通して人と会うことで元気でいられるからね(笑)

 

 

 

カンガスブルーベリーファーム

胎内市中村浜2-29

090-7907-0140

9:00-16:00

開園期間中無休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

アフィリエイト広告

  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP