異国を味わい、人とつながる場所。
長岡市中島の「旅するごはん家」
食べる
2026.04.27
長岡市中島に新しくオープンした「旅するごはん家」。これまで子どもたちに勉強を教える仕事をしてきた山本さんがはじめた、ガパオライスやロコモコなど世界の定番料理が楽しめるお店です。プレオープン中のお店にお邪魔してお話を聞いてきました。
山本 千佳子
Chikako Yamamoto(旅するごはん家)
長岡市出身。新潟大学教育学部を卒業後、東京で会社員として働くかたわら、塾講師や家庭教師としても働く。その後新潟へ戻り、家庭教師として勤務。3年ほど前に「プランC」を立ち上げ、独立。子どもたちと関わる中で、キッチンカーで販売をはじめたのをきっかけに、今月「旅するごはん家」をオープン。
先生として働いていた山本さんが、
自分のお店をつくるまで。
――早速ですが、山本さんがこれまでどんなことをされてきたのか、教えてください。
山本さん:小学校の先生になりたいと思って、大学は教育学部に入ったんです。でも、大学3年生のとき「東京で仕事をしてみたい」って思ったのをきっかけに、卒業後は東京で会社員として働くことにしました。ただ、やっぱり子どもに何かを教えたかったので、会社員をしながら塾の講師や家庭教師としても働いていました。
――副業として「教える仕事」をされていたんですね。そもそも、学校の先生を目指したきっかけは、どんなものだったのでしょう。
山本さん:小学校や中学校のときに観ていたドラマの影響で、先生か刑事になろうと思っていたんです。図書館で勉強をしながら、休憩中に小さい子たちと一緒に話したり交流したりするうちに「小学校の先生っていいかもな」と思いはじめて。それから小学校の先生を目指しましたね。
――新潟に戻った後も、その教える仕事を続けられていたのだとか。
山本さん:家庭教師として働いていたんですけど、その会社が倒産してしまって。勉強をみていた子たちを引き継ぐことになって、新しい生徒さんも募集していかなきゃだったので、個人事業主として「プランC」を立ち上げました。「プランC」では子どもたちに勉強を教えることだけじゃなくて、カウンセリングも行っています。実は、大学で心理学を学んでいたんです。お子さんはもちろん、親御さんからのご相談も受けています。
――そこから山本さんが、このお店をはじめるまでには、どんな経緯があったのでしょう。
山本さん:「プランC」でキッチンカーやシェアキッチンでごはんを作る活動をしていたんですけど、コロナ禍で子どもたちが職業体験ができなくなったときがあったんです。それで、その場を作るために、キッチンカーを借りて活動をはじめたんですよ。その後、たまたま宮内の「chahho。」さんに行ったときに、シェアキッチンの存在を知りました。そこから、キッチンカーだけではなく、シェアキッチンでもごはんを作るようになったんです。
――シェアキッチンも、子どもたちの職業体験の場として?
山本さん:そのつもりだったんですけど、平日に借りることが多くて、子どもたちが関わる機会が少なかったんです。そんなときに、この物件を紹介してもらいました。それで「とりあえずやってみよう」って思ったんです。曜日関係なく使える場所ができるし、シェアキッチンではできなかったことも自由にできるようになるなって。「プランC」の「C」には「Challenge」と「Change」のふたつの意味を込めています。私は、子どもたちには失敗してもいいから、どんなことも挑戦してほしいと思っていて。子どもたちのやってみたいことの背中を押せる場所を作るために、ここにお店を作ることを決めました。


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異国を感じながらも、
食べやすい味わいの、世界のごはん。
――こちらのお店でも、子どもたちが職業体験をすることができます。
山本さん:この場所を作った大きな目的のひとつでしたから。ここで作っているお料理は子供たちでも作れるようにしました。子どもたちと一緒に働くと面白いんですよ。最初はなかなか動けずに、立っていた子も自分の役割を見つけて、動いていくようになるんです。
――お店の名前は「旅するごはん家」。この名前になった経緯を教えてください。
山本さん:キッチンカーのときから提供していたロコモコとガパオライスの他に、海外のごはんも提供しようと思っています。「世界一周フェス」っていうイベントに出店したときに、このふたつのメニューと、フィンランドの文化や料理を紹介するブースを作ったのがきっかけです。海外のごはんのメニューは、定期的に変えていこうと思っています。
――いろんな国の「ごはん」が食べられる、ということですね。山本さんが料理を作る中で大切にしていることは?
山本さん:それぞれの料理の特徴は残しつつも、食べやすいような味付けにすることは意識しています。以前、試食会でガパオライスを出したんですけど、本場の味に近づけたらナンプラーの匂いが結構きつかったって声が多くて。元の料理を崩しすぎず、食べてもらいやすいようにアレンジを加えています。
――こちらは、レンタルスペースとしても利用することができるんですね。
山本さん:2階にある3つの個室をレンタルスペースとして利用してもらうことができます。プレオープン中にも、ベビーマッサージのワークショップを開いてくれた方がいました。このスペースのことと、本棚オーナー制度のことは、もっと知ってもらいたいんです。
――お店を入ってすぐの本棚は、そのためのものだったんですね。
山本さん:以前から本棚オーナー制度に興味があって、私も長岡で作りたいってずっと思っていました。ここの棚は、本を置くだけじゃなくて、ご自身の作った作品を置いてもらうのもいいな、と思っています。本に限らず自分の好きなものを棚に置いて、お店にきてくれたお客さまと直接交流できる場所にしていきたいですね。


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自分を変える出会いを、ここでも。
山本さんが目指す、これからのお店の姿。
――今日はお店のプレオープン3日目です。実際にお店を開けてみて、いかがですか?
山本さん:飲食店で働いていた経験のある妹や、今飲食店をやっている友人がいろいろ手伝ってくれているおかげで、なんとかできているな、という感じです。以前私の体験授業を受けてくれた生徒のご両親が来てくださったときは、とても嬉しかったですね。
――今後、「旅するごはん家」をどんなお店にしていきたいですか?
山本さん:人とのつながりの場を作っていけたらいいなと思っているんです。特に子どもたちは、学校をお家を往復することが多くて、そこに居場所がないといっぱいいっぱいになっちゃう子もいます。ここにきて、普段話すことのない世代の人と交流してもらえるような場所にしていきたいですね。子どもの頃、誰と出会うかってすごく大切だなって思うんです。実は私中学生の頃、成績がすごく悪くて。そのときに英語を教えてくれた先生に出会えたから、先生になりたいって思ったんです。そんな出会いもここで作っていけたらいいなと思います。


旅するごはん家
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