夢味豚を使った豚肉料理が味わえるダイニングバー「na_Gi」。
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2020.02.25
以前「Things」で紹介した新潟市南区にある生ハム工房の「SHIRONE meat Labo.ROOTs(シロネミートラボルーツ)」。そこで工房長の平野さんと一緒に生ハムを作っているのが、本日ご紹介するダイニングバー「na_Gi(ナギ)」のオーナー長沼さんです。「ROOTs」を立ち上げることになったのも、もとはお店で出していた夢味豚(ムーミートン)の生ハムがきっかけでした。今回は長沼さんに夢味豚を使った豚肉料理についていろいろと語っていただきました。


na_Gi
長沼 健太 Kenta Naganuma
1979年新潟市南区生まれ。東京の寿司店をはじめ、新潟の創作居酒屋、イタリア料理店、フランス料理店、寿司店と様々なジャンルの料理店で働く。2011年新潟市南区にダイニングバー「na_Gi」をオープン。2018年からは地元有志と「SHIRONE meat Labo.ROOTs」を立ち上げ夢味豚(ムーミートン)を使った生ハム作りをしている。趣味は自転車でチームを作ってレースをしたりしている。
工業デザインの道を目指していたのに料理の道へ?
——以前取材させていただいた「SHIRONE meat Labo.ROOTs」のときは大変お世話になりました。
長沼さん:こちらこそありがとうございました。「SHIRONE meat Labo.ROOTs」で作っている生ハムの記事を掲載してもらって、いろんなところから「うちでも夢味豚の生ハムを使ってみたい」っていう反響があったんですよ。
——おお!そういう反響があるとこちらも嬉しいです(笑)。今日は長沼さんと「na_Gi」のお話をお聞きしたいと思います。肉料理の調理経験は長いんでしょうか?
長沼さん:いえ。そうでもないですねぇ。最初は寿司屋で働いてたんですよ(笑)。もともと照明器具とかの工業デザインをやりたかったので、東京にいた仲間の家に泊まり込んで工業デザインの職探しをしてたんです。その仲間は飲食業を目指していて、ある日、自分のアルバイト先と一緒に俺のアルバイト先まで探してきてくれたんです(笑)。
——それがお寿司屋さんだったんですか?
長沼さん:はい。ちょっと変わった寿司屋で、すごく巨大ないけすにカニだのヒラメだのがいて、店のスタッフが網で注文された魚をすくうんです。それを板前がさばいて料理するというエンターテイメント性の高い店でした。その店で働きながら、工業デザインの仕事の方も諦めず探し続けていたんです。
——それで、工業デザインの仕事は見つかったんですか?
長沼さん:総合デザイン事務所の1次面接を受けたら合格して、2次面接を受けることになって。そこでアルバイト先の寿司店に頼んで面接日に休みをもらおうとしたら、その日はものすごい人数の団体予約が入っちゃってたんですよ。そんな日に休みをもらえるはずもなくて、面接日を変更してもらおうとデザイン事務所にお願いしてみたら、面接日に来れないなら採用できないといわれてしまったんです。
——うわー。それは残念すぎますね。
長沼さん:でも、その頃は俺も飲食業の方が面白くなって来てたので、工業デザインの仕事を諦めて飲食業の道に進むことにしたんです。新潟に帰って来て創作居酒屋、イタリア料理店、フランス料理店といろいろな料理を経験して、最後は地元の寿司屋で7年間働きました。30歳になったら自分の店をやりたいという思いがあったので、寿司屋を辞めてダイニングバー「na_Gi」をオープンすることにしたんです。

夢味豚との出会いで店の看板メニューが誕生した?
——「na_Gi」のお店はいつできたんですか?
長沼さん:2011年の6月にオープンしました。その年の3月に東日本大震災が起こっていろいろ大変でしたね。当時は店舗の建物が骨組みだけの状態だったので崩壊を免れたんです。壁とかが貼られた状態だったら崩れていただろうということでしたね。あと、福島経由で運ばれてくる資材もまったく届かないし、注文してあった輸入家具も船が日本に入港しないので届かないんです。5月オープンの予定でしたけど延期して、6月になんとかオープンすることができました。こればっかりは仕方ないことですよね。
——それは大変でしたね。でもお寿司屋さんの経験が長いんだから、お寿司屋さんをやろうと思わなかったんですか?
長沼さん:実は俺、寿司が握れないんです。なんでかっていうと、手熱が高くて寿司があったまっちゃうんですよ。フランス料理店ではデザートを担当してたんですが、手熱が高いから手を氷水で冷やしながらクリームを絞ったりしてました。あれは辛かったですね。「na_Gi」を始めるときはまだ料理のジャンルも決まってなくて「お酒の種類が豊富で気軽に飲めて、美味しい料理が食べれる店」というぼんやりしたコンセプトだけありました。
——手熱…そんな意外なウィークポイントがあったんですね…。ぼんやりしたお店のコンセプトが、肉料理になっていったのはどうしてなんですか?
長沼さん:お店の武器になる看板メニューがほしいと考えていた頃に、テレビを見ていたら番組の中で「夢味豚」という地元・白根のブランド豚が紹介されていたんですよ。米を飼料に育てられて病気とかのストレスが軽減された豚で、脂の融点が低いので37℃で溶けて、キメが細かい肉質ということでした。ぜひこの豚を使った料理をメニューにしたいと思ったら、実は妻の友人が夢味豚の養豚をやっていたんです(笑)。白根は豚肉をよく食べる地域だし、トンカツ以外で豚肉料理をメインにした店ってあまりないんじゃないかって思って、豚肉料理をメインにすることにしたんです。

食材を生かす調理を教わった、和食料理店での経験。
——調理のときに大切にしていることってありますか?
長沼さん:寿司屋をはじめとした和食料理店で働いてきたので、食材を生かす調理法っていうのが身についてるんです。どの料理でもそうだと思うんだけど、和食料理では特に食材を丁寧に扱うことを教えられました。うちの料理って見た目は洋風なんだけど、調理のプロセスは和風なんですよ。肉だけじゃなくて野菜にもこだわってます。
——こだわっているというと、具体的には…?
長沼さん:夢味豚の堆肥を使って自家農園で有機栽培した野菜を使ってるんです。体にいいものをというよりは、自分が気持ちよく食べれるものをお店で出したいと思ってます。
——なるほど、肉にも野菜にもこだわりがあるんですね。ちなみに、オススメのメニューってありますか?
長沼さん:やっぱり夢味豚を使った豚肉料理には自信がありますね。うちは豚の頭を落とした「枝」と呼ばれる体だけの状態で仕入れているので、いろいろ料理の応用が効くんです。「プライムステーキ」っていう豚肉のステーキはおすすめですね。夢味豚は脂の融点が低いから焼き方がとても難しいんです。うちでは低温でじっくり最低40分以上かけて焼いてます。お客様にはお待ちいただくことになりますけど、その間に食べていてもらう料理もありますし、やわらかいプルプルのステーキは待ってでも食べてほしいです。
——おお、美味しそう…。40分…じらしますね(笑)
長沼さん:季節ごとに変わる煮込み料理も人気があります。今の季節だと豚の角煮をトマトでじっくり煮込んで仕上げた「夢味豚のトマト煮込み」とか。「リヨン」っていうフランスの田舎料理も人気です。これは塩漬けした豚肉を白ワインでじっくり煮込んだ暖炉料理ですね。料理の他にも、ワインは30種類揃えてますし、妻がカクテルを作っているので、とにかくいろいろな種類のお酒を楽しんでもらえます。
——今後、新しくやってみたいことってありますか?
長沼さん:そうですねえ。うちは料理の提供時間が長くて、お客さんにゆっくり食事を楽しんでもらうスタイルのお店なんですけど、さすがに時間がかかり過ぎてるかな…と思うんです。なので、今後は時間のかからない料理も導入していこうと思ってます。これからは早くて美味い店を目指したいですね。

様々なジャンルの料理店で修行を積んだ長沼さんが、夢味豚と出会って豚肉料理を看板にした店「na_Gi」。だからこそ、夢味豚を使った料理には自信があると熱く語ってくれました。最近では豚肉料理だけでなく、鶏肉料理、牛肉料理もどんどん人気が出てきたそうです。みなさんも豊富なお酒と美味しい肉料理を味わいに「na_Gi」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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